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読者レビュー

銅

独裁者の教養

こんな目次、初めて

レビュアー:yagi_pon Novice

けっこういろいろな本を読んできたと思うけれども、『独裁者の教養』の目次にはドキっとしてしまった。新書としてはかなり分厚い部類に入るであろう330ページほどの大作の目次は、見開きの1ページに集約されているのである。さらに驚くべきところは、一面に世界地図が描かれ、この本で紹介される独裁者たちの写真が貼られており、紹介以外のもう一つの目玉である「ワ州密航記」という大きな表記を除き書かれている文字は、各独裁者たちの名前と国名くらいである。従来の文字だけの目次とはかけ離れつつも、掲載されている内容は文字で表記するよりもインパクトが強く、シンプルな印象を受ける。また、最後に日本にもページが割り振られ、「では日本の独裁者は誰だ?」と言わんばかりに[?]マークが振られている。本書の内容も、いろいろな独裁者を紹介し、ワ州を旅したうえで、「じゃあ日本はどうなんだ?」という展開になっている。そうした点も、目次として見事に本書の内容を集約していると言っていい。『独裁者の教養』という本がどんな内容を扱っているのかが一目でわかる、すばらしい目次だと思う。

まぁとりあえず手にとって、開いてみてよ。

2012.01.30

さやわか
これまた変わったレビューですな。「目次」のことしか書いていないわけです。目次に盛り込まれた面白い要素を列挙されていて、たしかに興味はそそられます。そういう意味で最後の一文は功を奏している。ただ、どうも列挙のみが重視されているように読めてしまう。こんな要素があってこんな要素があって、というのを並べているみたいに見えるのですな。もう少し話として広がりがあった方がレビューとして読み応えのあるものになったと思います。たとえば星海社新書はレイアウトの上でも従来の新書だとあり得ないような変わったことをいろいろやっていて、『独裁者の教養』の目次もその一つと言っていいわけです。そういうことに触れるとか。それは思いつきですが、ちょっと目次そのものから離れた目線を導入してあげるといいように思いますぞ。ですが、目次愛は十分伝わりました。「銅」を授けましょう!

本文はここまでです。