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読者レビュー

銅

面接ではウソをつけ

振り返りと反省をしてこれからにいかそう

レビュアー:yagi_pon Novice

一年前に出会いたかった、そんな本です。一年前の私は、ちょうど就職活動を始めていた時期でした。

自分がやっていたことを思い出すと、自己分析をして自分のいいところをどうにかひねり出していた記憶しかありません。
そしてどうにかしてひねり出した自分のいいところを、どうにかしてエントリーシートを読んでいる人や面接官に伝える、そのことで頭がいっぱいだったように思います。今思い返してみれば押し売りに近い・・・。

筆者は、面接と営業は驚くほど似ていると言います。
面接は自分を売る営業なのだと。

もし本当に1万人に1人の逸材であれば押し売りしてもいいのでしょうが、残念ながら私はそうではありません。そこそこの大学にいるそこそこの学生でした。押し売りがうまくいかないわけですね。私も売れない営業マンだった筆者と同様に、自分の言いたいことを伝えきって満足していたこともありました。自分ばかり満足して、相手はポカンだったでしょうね。

自分のいいところを精いっぱい伝えることが完全に間違った方法だとは今でも思ってはいませんが、採用される確率の低い方法だったことは確かです。押し売りから物を買おうとは、私自信思わないですし。営業が相手の欲しいものをヒアリングしてものを売るように、私ももっと相手が欲するところを意識して自分を売り込まなければならなかったのでしょう。

自分の良いところをわかって採用してくれるところがきっとある、なんて思っていた自分にこの本を投げつけてやりたいですね。

この本はタイトルからして面接ではウソをつけ、とは言っていますが、自分をすごく見せるようなウソならなんでもついていいと言っているわけではありません。そのウソをつく前に、事前にしっかりと調査と準備をしたうえで、必要なウソをつかなければ効果はありません。

まぁそんな私でもなんとか職にありつくことはできました。これから仕事が始まれば、初めて会う人と話すことはたくさんあるでしょう。そうしたときに平然とウソをつけるように、調査と準備を万全にしていけるように、そんなふうに思いました。

これから生きていけば、仕事をしていけば、初めて会う人と話す機会はたくさんあるでしょう。面接も営業もたいした違いはありません。初めて会った人と話すだけ。面接の方法は営業に応用できるし、営業の方法は面接に応用できます。必要なキャラクターを察して演じるということでは合コンにだって応用できるでしょう。
これから就活をする人にはもちろん、様々に応用できるという点を考慮すれば、それまでの面接等の経験を振り返り反省しつつ読める人にこそオススメの本です。

2011.12.20

のぞみ
自分のことを、絡めつつ、こんな人にオススメというのが明確で、良いなぁ~と思いました。
さやわか
ああ、これも見事なレビューですな。これは自分のことしか書いていないように見せながら、実は本の主張に照らし合わせながら自分の行動を振り返っているのですな。だから、ちゃんと本についてのレビューになっている。そして、本の扇情的なタイトルを越えて、読者が読み物として活かすことのできる部分をきちんと指摘している。うまいと思います。ちょっとだけ懸念があるのは、営業という言葉がすこし強調されていることで、不注意な人には「なんだ、要するに営業職に就かない人には関係ない話なのかな」と思われてしまうかもしれないということくらいでしょうか。もちろんyagi_ponさんの主張は、それだけでなく、もっと広く活用できる本だということなので、それを今少しはっきり言ってあげてもよかったと思います。ともあれ、いいレビューです。「銅」にいたしましょう!

本文はここまでです。