星海社FICTIONS
もしも細部に神が宿るなら
レビュアー:牛島
星海社のエンターテイメントの主力ラインナップである星海社FICTIONS。私はその大扉が好きです。
前扉(表紙を捲った一ページ目、作者名・作品名、縦に青いラインの引かれたページ)の後ろ、本文の直前に挿入された、表紙に次ぐ「本の顔」。
このページがもう、うっとりするほどいいのです。
たとえば、『六本木少女地獄』。
黒地に映える赤いリボンが演劇の開幕を予感させます。
たとえば、『金の瞳と鉄の剣』。
実はここだけ題字に特殊効果がかかっていたりして、思わず注目してしまいます。
たとえば、『サクラコ・アトミカ』。
この題字の配置とその書体の美しさはちょっと凄まじいものがあります。
物語に入り込むその直前。
本編が始まる前のワンクッション。
さながら小説におけるOPとでも言えばいいでしょうか。それを目にした瞬間、映画の上映ブザーにも似た、なんとも言い難い興奮と緊張感につつまれます。
私にとってのこの大扉は物語が始まる予感で――そして、ある種の真剣勝負だと思っています。
そもそも手を抜こうと思えば作らなければいい大扉――そこにこれだけの情熱を注いでいる。作品を紹介する際にはそのままポスターやロゴに使ってもいいような本気の完成度。ここには間違いなくこの本を作った人たちの本気があります。
だから大扉を開くとき、いつも姿勢を正してしまいます。本気のこだわりの前に、たるんだ意識がひきしまります。デザイナーからの全力投球を受け止めなければならないからです。
もしも細部に神が宿るなら、きっとここにも神が宿っているのでしょう。
前扉(表紙を捲った一ページ目、作者名・作品名、縦に青いラインの引かれたページ)の後ろ、本文の直前に挿入された、表紙に次ぐ「本の顔」。
このページがもう、うっとりするほどいいのです。
たとえば、『六本木少女地獄』。
黒地に映える赤いリボンが演劇の開幕を予感させます。
たとえば、『金の瞳と鉄の剣』。
実はここだけ題字に特殊効果がかかっていたりして、思わず注目してしまいます。
たとえば、『サクラコ・アトミカ』。
この題字の配置とその書体の美しさはちょっと凄まじいものがあります。
物語に入り込むその直前。
本編が始まる前のワンクッション。
さながら小説におけるOPとでも言えばいいでしょうか。それを目にした瞬間、映画の上映ブザーにも似た、なんとも言い難い興奮と緊張感につつまれます。
私にとってのこの大扉は物語が始まる予感で――そして、ある種の真剣勝負だと思っています。
そもそも手を抜こうと思えば作らなければいい大扉――そこにこれだけの情熱を注いでいる。作品を紹介する際にはそのままポスターやロゴに使ってもいいような本気の完成度。ここには間違いなくこの本を作った人たちの本気があります。
だから大扉を開くとき、いつも姿勢を正してしまいます。本気のこだわりの前に、たるんだ意識がひきしまります。デザイナーからの全力投球を受け止めなければならないからです。
もしも細部に神が宿るなら、きっとここにも神が宿っているのでしょう。