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読者レビュー

銅

坂本真綾『アイディ。』

出会いをくれる環境

レビュアー:yagi_pon Novice

『アイディ。』の中で、真綾さんはこんなことを言っている。
ー「人は出会いと環境によってつくられる」と。

『アイディ。』は、彼女の出会いと環境の話だ。
プライベートの環境、仕事の環境と、
その中で出会った人たちとの話だ。

そして思い返す。
そういえば星海社と出会ったのも、真綾さんがきっかけだったなぁと。
真綾さんが朗読をするらしい!と知って、初めて最前線を訪れた。
彼女がつないでくれたから、私は今ここにいる。

彼女はもはや、私に出会いをくれる環境だ。

私がそうであったように、
他の人にとっても彼女が、彼女の歌が、彼女の言葉が、
出会いをくれる環境になればと思う。

そして『アイディ。』には、出会いの種がたくさん詰まっている。
留学してみたいとか、帰省したいとか、
もう一度「ループ」を聴いてみたいとか、
直接的な人との出会いではなくてもきっと、
そんな気持ちに気づけたことだってきっと、
それは出会いだと思う。

なにかしたい、なにかしてみたい、
そんな気持ちをくれる出会いの種がたくさんだ。

『アイディ。』を読むと、なにか、したくなる。
そのなにかが、出会いになる。
気付けば『アイディ。』が、出会いをくれる環境になる。
私にとってはそうだった。

たくさんの人にとっても、そうだといいな。

2011.09.08

のぞみ
本の内容と絡めて、星海社との出会いも描かれていますね!
さやわか
ですなー。個人的に、坂本真綾という「人物」を「環境」と書いているのはちょっと面白いと思いました。もちろんそれは本の中の言葉から引っかけて書こうとして日本語的にはおかしくなってしまっているのですが、でも、だからこそここは掘り下げがいがある部分です。つまり、結果的に書き手にとっての「環境」という言葉は、作者が平素の意味で発した「環境」という言葉をも離れて発展している可能性がある。だからここを掘り下げてあるともっと読み応えがあったかもしれないと思いました。さて、文章的にはまっすぐさがあってよいものだと思います。坂本真綾という人物から人生が拓かれていくことについての喜びと、それがほかの人にもあればいいという心がポジティブに書かれています。よろしい! ならば「銅」とします!

本文はここまでです。