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読者レビュー

銅

六本木少女地獄

地獄への歩みは止まらない

レビュアー:yagi_pon Novice

『六本木少女地獄』それは、戯曲集。
戯曲なんて読んだことのない私は、ためらった
私が読んで、楽しめるのかと。

こういうとき、最前線はありがたい。無料で読めるから。
公開されている、『六本木少女地獄』を読んでみる。

戯曲という形式に戸惑いながらも、読み進める。
そして出てくる、謎のスポーツ「ボクケットミントン」
登場人物と同じく、困惑する私。
それでも読み進める。夢中で読み進める。
そして、読み終わる。

大波にさらわれたような気持ちの私。
なんというか、すごかった。
理解する前に流されてしまうような感覚。
おもしろいというより、すごい。

そして、あることに気がつく。

映像の鑑賞は、ただ見ていれば進んでいく受動的な面がある。
だから大波にさらわれてしまうようなことはあるだろう。
それに対し、小説やこの戯曲はあくまで文字。
ということは、能動的に読み進めるていかなければ進まない。

おかしいな。
私はどうやら大波にさらわれて海に浸かっていたわけではわけではなく、
自分から海に向かってどんどん歩みを進めていったらしい。

「ボクケットミントン」のようなわけのわからない言葉。
わけのわからない人たちの、わけのわからない関係。
これらが適度に散りばめられ、
なにそれどういうこと?なんて思いながら、つい速足になる。
そしてさらにそれを加速させる、会話のテンポの良さ。

一度読み返してみて、思う。
やっぱりすごい。すごい。すごい。
そして、夢中になって読んだあとに冷静になって、思う。
すごく、おもしろい!
夢中になって読んでいた時点で、自分にとってはおもしろかったのだと、
後になって気がつく。
ついつい速足になって読み進めちゃうくらい、
この本はおもしろい!



P.S.
活字の波にさらわれるのではなく、
実は活字の波に背中を押され進んでいた私。
そんな私に、今度こそ波が押し寄せる。
ツイッターに押し寄せる、著名人たちの『六本木少女地獄』の感想。
今度こそ私は、波にさらわれたようだ。

2011.09.08

のぞみ
すごく好きって気持ちを表現したいのだ! ってひしひしと伝わってきますわ! 溺れてしまってもいいくらいですわ~(笑)。
さやわか
まさしく! とにかく、ぐいぐい読んでしまった! というのがよくわかるようになっています。「銅」を贈るに相応しいのではないかと思います。熱っぽさがあって、作品に対する興味がわくのがいいですな。この熱さえあれば、Twitterで著名人がホメていたというのは二次的な情報なので書かなくてもいいような気もします。

本文はここまでです。