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読者レビュー

銅

サクラコ・アトミカ

ラストシーンの美しさ。

レビュアー:牛島 Adept

なぜサクラコ・アトミカは私の心を掴むのか。この物語のどこに惚れこんでしまったのか。
私が最も魅力的に感じたのは、あのラストシーンでした。

文字通り世界一美しい少女、サクラコと、彼女を監視する立場だった異能の少年、ナギ。
徐々に惹かれ合う二人と、その前に立ちふさがる最大の障壁、丁都知事ディドル・オルガ。

どうなってしまうんだ、と読者を不安にさせるほどの理不尽な展開を乗り越え、最後はハッピーエンドで締めくくる。

そんな物語のラストシーンです。

やられたな……、と思いました。
犬村小六先生の著作「とある飛空士への追憶」でもラストシーンには心を奪われたのですが、その情景に勝るとも劣らない美しさを犬村先生は見せてくれました。もはや犬村先生はラストシーンに定評のある作家だと断言してもいい気がします。

あのラストシーンは、すべてを乗り越えた結果だと私は受け取りました。
原子塔に接続され肉体を喪失したサクラコと、オルガの魔法により醜く焼けただれた姿にされたナギ。
二人はオルガを倒し、丁都を吹き飛ばし、一羽の鳥になって飛び立っていく。
雲のなかを飛んでいくサクラコとナギ。
すべての障害を乗り越え、自由に飛翔する二人。

そして最後に本来の姿を取り戻した二人は微笑みを交わし合う――

ああもう!
理屈抜きに大好きです!

2011.06.01

のぞみ
「ああもう! 理屈抜きに大好きです!」そうですよね! 難しいことを考えずに率直な気持ちを言う部分だったので好きでした。
さやわか
「理屈抜き」ですからな! レビューとしては最も基本的で最強の形ではあります。「ラストシーンがよかった」という話はある意味で掟破りなのかもしれないですが、この牛島さんの書き方は爽やかで、何か嫌な感じがなく読ませるものがありますね。文体がいいのかな? ともあれ「銅」を贈らせていただきます!

本文はここまでです。