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読者レビュー

銅

エレGY

恋愛なんて

レビュアー:戌亥子丑 Novice

私は、恋をしたことがない。
否、より正確を期して伝えるならば、私は恋愛という行為を種を残すためのただの生物的本能に過ぎないと見下しきっていた。

この「エレGY」という作品を見るまでは。

主人公の思考の純粋さに切なさを覚え、ヒロインの危うさに不安を覚え、二人が会って一緒に行動しているというだけで、暖かくも尊い時間に思えて仕舞う。

だから今、私は声を大にして叫びたい。

切ねえええええええええええ!!と。

「エレGY」は、昨今ものすごい勢いで単純化していく恋愛物語の流れの中に、思いの純粋さゆえに複雑に入り組むという新しい風を吹かせている。

私は、そう思う。

2011.05.09

のぞみ
「切ねえええええええええええ!!」という叫びに心惹かれました!
さやわか
恋愛の切なさを一冊の本から知るという、すごく大切な気持ちのあるレビューだと思いますぞ。
のぞみ
考え方が変わる作品に出会えるって良いですね!
さやわか
むう! 恋愛物語が「昨今ものすごい勢いで単純化していく」と断定するには、もう少し具体的に詳述する余地があるのだが、少なくとも書き手がそのような絶望に至っているのは理解できます。そして、その絶望を救うための作品に出会えたという気持ちは強く伝わってきます! ということで「銅」をお贈りします!

本文はここまでです。