Fate/Zero(4)散りゆく者たち
理不尽で誠実な物語
レビュアー:ticheese
物語上の「転」に位置する『Fate/Zero(4)』では、多くの人物が転機を迎える。
セイバーと衛宮切嗣、言峰綺礼、間桐雁夜・・・
中でも大きな変わり目が2組の魔術師とサーヴァントの脱落である。
そして、その2組の脱落の仕方は非常に対照的だった。
かたや救いと安堵を感じながら。
かたや絶望と呪いを振りまきながら。
これを理不尽に感じる読者もいただろう。
あの2組の行いを鑑みるに、もっとふさわしい終わり方があったようにも思える。
しかし、この結末が読者にとって理不尽だったかというと、そうでもない。
著者「虚淵玄」氏は以前の巻からこの結末を臭わせる予兆を配していたのだ。
パートナーとの会話やライバル達の視点の中でそれらを見つけられれば、著者が綿密なストーリー作りをしていたことが解るだろう。その作りは理不尽な結末に至ったことを運命的な必然にし、幸運や悲運に美しさを与える。
美しい終わりならば、それがどんなものであれ受け入れることができるものである。
2つの視点において終わりを迎えた『Fate/Zero(4)』は『Fate/Zero』の「転」の巻でありながら2組の魔術師達の「結」の巻でもある。
1つの区切りを迎えた所で、一度物語を最初から読み返してみてはいかがだろうか。1度目には気づかなかったことに気づけ、あるいは『Fate/Zero』の「結」の予兆が見えてくるかもしれない。
そして読み返す中で著者の誠実な物語作りを知れば、さらに『Fate/Zero』を好きになることだろう。
セイバーと衛宮切嗣、言峰綺礼、間桐雁夜・・・
中でも大きな変わり目が2組の魔術師とサーヴァントの脱落である。
そして、その2組の脱落の仕方は非常に対照的だった。
かたや救いと安堵を感じながら。
かたや絶望と呪いを振りまきながら。
これを理不尽に感じる読者もいただろう。
あの2組の行いを鑑みるに、もっとふさわしい終わり方があったようにも思える。
しかし、この結末が読者にとって理不尽だったかというと、そうでもない。
著者「虚淵玄」氏は以前の巻からこの結末を臭わせる予兆を配していたのだ。
パートナーとの会話やライバル達の視点の中でそれらを見つけられれば、著者が綿密なストーリー作りをしていたことが解るだろう。その作りは理不尽な結末に至ったことを運命的な必然にし、幸運や悲運に美しさを与える。
美しい終わりならば、それがどんなものであれ受け入れることができるものである。
2つの視点において終わりを迎えた『Fate/Zero(4)』は『Fate/Zero』の「転」の巻でありながら2組の魔術師達の「結」の巻でもある。
1つの区切りを迎えた所で、一度物語を最初から読み返してみてはいかがだろうか。1度目には気づかなかったことに気づけ、あるいは『Fate/Zero』の「結」の予兆が見えてくるかもしれない。
そして読み返す中で著者の誠実な物語作りを知れば、さらに『Fate/Zero』を好きになることだろう。