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読者レビュー

銀

サクラコ・アトミカ

スーパー*ロボット

レビュアー:yagi_pon Novice

『サクラコ*アトミカ』がどんな話か説明すると、
ヒロインとヒーローが恋に落ちて、悪を倒す、そんなお話。
すごくシンプル!すごくストレート!!

正直言って、読み終わった後すぐは物足りなかった。
リアルロボット全盛の時代に、スーパーロボットの作品を見ちゃったみたいな。
でも、よく考えたらその考えは若干的外れなんだよな。

ロボットをリアルな兵器として描くリアルロボット作品はもちろん好きだけど、ロボットをスーパーヒーローとして描くスーパーロボットだって、自分は嫌いじゃないはずなんだ。
だってグレンラガンにあんなに熱くなれたんだ。あんなに涙したんだ。嫌いであるはずがない。
(リアルとかスーパーとかよくわかんねぇ!って人は、リアルロボット:ガンダム、スーパーロボット:マジンガーZ、くらいに置き換えてくれれば、わかってもらえるはず。)

それでもさっきの考えが完全に的外れではないとも思っているのは、リアルロボットを見るつもりでスーパーロボットを見てしまったら、それはがっかりするだろうなって話。
本格ミステリーって謳われているのに、読んでみたらキャラクター重視のライトなミステリーだったらやっぱりがっかりするでしょ。

そもそもなんでリアルロボット的な作品だと思って読んだかと言われれば、それは『とある飛空士』シリーズの影響が非常に強いわけで。まさかあの作品を書いたあとにこんな作品が来るとは夢にも思わなかったし。

というわけで、読み直してみたんだ。スーパーロボットをスーパーロボットとして見ればきっと楽しいはずだから。
SFだとか、ファンタジーだとか、ボーイミーツガールだとか、そんなカテゴライズはこの際どうだっていいんだよ。ただ、スーパーロボット的な作品だと思って読み返してみる。
スーパーロボットの基本はその定義とは別に、ヒーローが悪の組織を倒すっていうシンプルなものなんだよ。
だからさ、「ヒロインとヒーローが恋に落ちて、悪を倒す」なんて作品は、すごくスーパーロボットものっぽいと思うんだ。ましてやヒーローであるところのナギなんて、本当に“小さなスーパーロボット”みたいなものだしね。

さて、もう一度読んでみたわけだが、今度はすごいおもしろいんだ。だってスーパーロボット的な作品、好きなんだからまぁ当たり前だよね。
恋とか愛とか、勇気とか正義とか、夢とか希望とか、そういうシンプルなものがストレートに突き刺さってくる。

恋とか愛とか、勇気とか正義とか、夢とか希望とか、まぁ気合と根性を加えてもいいか。そんな要素がにじみ出てくるこの作品は、すごく「スーパーロボット」してるんだ。男の子的にはこういう作品、やっぱり好きだよ。嫌いな人なんていないとさえ思うね。

もう一度言おう。
『サクラコ*アトミカ』がどんな話か説明すると、
ヒロインとヒーローが恋に落ちて、悪を倒す、そんなお話。
すごくシンプル!すごくストレート!!
だがそれがいい!!!

2011.05.09

のぞみ
2回繰り返すの、かっこよくて好きです~!
さやわか
たしかに! 文章の調子も整っていて、読みやすくてテンポもいいです。
のぞみ
そして繰り返したことによって、そこを伝えたいんだな~と、分かりやすく伝わると思います。
さやわか
そうですな。しかし、この繰り返しが活きているのも、その間をつないでいる内容が破綻せずにしっかりしているからだと思いますぞ。この中間部分は、つまりは二回繰り返している部分がどういう意味なのか詳しく説明しているわけです。どんな文章でもそうですが、キャッチコピー的に投げかけられる意味ありげでかっこいいフレーズというのは単体で成り立つわけではありませんぞ。ちゃんと論理的な裏付けが支えてくれるからこそ、初めてかっこよくなるわけです。しばしばかっこいいことが書きたくて、フレーズだけをポンと書いてしまう場合がありますが、そういうものは往々にしてうまくはいきません。このレビューはそうした部分をおろそかにしていないように思います。なので、謹んで「銀」とさせていただきます!

本文はここまでです。