坂本真綾の満月朗読館 最終夜『月の珊瑚』
満月の夜には、月と珊瑚が
レビュアー:yagi_pon
最終夜のイベント及びブックレットの感想です。
劇場では、大画面に映し出される美しいイラストと、聞こえてくるのは真綾さんの声だけ。それまではUstreamだっただけに、非常に贅沢なイベントだった。
そして家に帰り、ブックレットを開く。最初は目で追って読み、二回目は声に出して読む。声に出して読んでみるのがオススメ!
ページをめくるたびに変わる背景絵は、場面が移るごとに”色”が変わっていくようで、自然と引き込まれる。
憎いな!と思うのは、ブックレットには劇場では見られた少女の石の美しいイラストが掲載されていないこと。ひときわ美しく、鮮やかな服を着た彼女は、見た人の記憶の中だけだなんて。それを思い出すために、ブックレットを何度も手に取る。読んでいるこっちも、気づけばブリキの彼のように、彼女の記憶をたどっていく。
不器用な二人は、思いを伝え合うことはなかったけれど、満月の夜には月と珊瑚が、互いに光り合っている。
その光は、その想いはたしかに届いたんだと思う。
何百年も待たなくても、この物語に出会えたことに感謝。