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読者レビュー

銅

spica

生きめやも

レビュアー:ラム Adept

  「恋愛は甘くて音楽のように心地の良いものだと思っているやつがいたら死ね。」


冒頭文に感涙ほとばしる。
続く文章も最高で、私はもう「spica」を崇め奉るしかなかった。

恋愛は甘ずっぱいだけではない。
前作「エレGY」では、親友カップルで示唆されていた。好きだから嫌いだと思うこともあったり、喧嘩したり、嫉妬したり、反省したり、恋愛には嫌なこともいっぱいだ。

終わったあとも続く恋の物語。未練たらしく、残酷な物語。
それでも「spica」に出てくる主人公の親友は初々しいカップルで、二人とも水井くんに優しくて、苦しい恋愛だけが生きてるすべてじゃないんだと思える。
私は冒頭文を礼讃しているけれど、やっぱり死ななくていいよ、うん。生きよう。

2014.06.18

さくら
親友カップルという存在は2つの作品でとても大きな役割を果たしているように思えますわね。「甘酸っぱい恋愛」と「苦しい恋愛」が短い文の中で行ったり来たりで、読んでいるうちに冒頭のインパクトがどこか行ってしまいましたわ。
さやわか
作品の印象的なフレーズを冒頭に挙げて書いていくやり方は効果的で、どんな作品だろう?と読者に思わせるのに十分なものがあると思います。その先の、恋愛観に対する共感も書き手の瑞々しい感想が見て取れる。いいですね!「銅」にいたしましょう。「銀」以上を狙うとしたらですが、おそらくこのレビューが「エレGY」との比較になっているというところをもう少し調整した方がいいのかなと思いました。現状だと特に説明なしに「エレGY」の親友カップル等のエピソードが書かれているのですが、このへんをちゃんと作者の前作であることをレビューの読み手にわからせつつ、対比的に書いていくと、より説得力が増すと思いますぞ!

本文はここまでです。