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「大日本さむらいがーる劇場」のレビュー

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大日本さむらいがーる劇場

入り口

レビュアー:ジョッキ生 KnightKnight

 原作を読んでからこっちを読むと、なんかほっこりする。みんなマイルドな感じになってるなー。超可愛い!日鞠が木刀で机割ったりする本編とは雲泥の差じゃないですかー。あの殺伐とした感じを全部濾過したもの、それが『大日本さむらいがーる劇場』だ。

 全編通してキャッキャウフフのパラダイス。お姉ちゃんのオロオロっぷりは可愛すぎて吐血しそうだぞ!19歳のスク水姿とかも、ナイスです!右翼だ、左翼だと、難しいことが苦手な人はこっちから入って、まずキャラに萌えてみよう。ひまりんのチョロインっぷり、千歳のいじられドジっ子ぷり、お姉ちゃんの残念っぷり(イチオシ)、由佳里さんは・・・まあいいです、年増なんで。

 そんな多彩なキャラ達を十分に堪能し尽くした後、いざ原作へGO。こっちとはまた違ったキャラの魅力に出会えるはず。特に、颯斗はこっちだとただの変態でしかないが、もうちょいかっこいいぜ!由佳里さんはちょっと無理してるかな、年齢的な問題で・・・。

 原作からこっち。こっちから原作と。どちらから入っても十分に楽しめる大日本サムライガール。大日本サムライガールをよろしくお願いいたします!あと、お姉ちゃんも可愛いので、一緒によろしくお願いいたします。

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2013.07.08

「大日本さむらいがーる劇場」のレビュー

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大日本さむらいがーる劇場

既視感とその先にあるもの

レビュアー:ticheese WarriorWarrior

 最前線の4ページマンガ『大日本さむらいがーる劇場』を読んでいる内、私には既視感があった。このノリ、どこかで見たことがある……。特に凪紗である。男性恐怖症でありながら芸能活動をするという、茨の道を歩む様は浅倉杏美ボイスのあの人を連想させる。
 ああ、765プロか。
 芸能事務所、つまる所ネクタイを締めて働く職場で、若くて可愛い女の子がきゃっきゃと雑談に花を咲かせる空間が、アイドル物語の大御所『アイドルマスター』を彷彿とさせるのだ。男ならこんな職場で働きたいと、心から思わされるひまりプロダクションであった。
 しかしだからといって、『大日本さむらいがーる劇場』が『アイドルマスター』に追随するだけの作品であるかというと、それは違う。私は765プロを連想した後に気づいたのだが、漫画の著者である川村氏は、どうやらガチのアイマスPであった。ニコ動に自分の描いたアイドルマスター漫画を投稿して、脅威の再生数を稼ぐ猛者であらせられる。
 『アイドルマスター』を本当の意味でよく理解した川村氏が、ただの二番煎じを描くはずがないのである。
 では何が『アイドルマスター』と違うか、それは4ページマンガの第一回に高らかに宣言される。
神楽日毬「目的は政治の頂点、手段はアイドル!! 真正なる右翼は日本に私ただ一人である!」
織葉颯斗「うちは名前のとおり日毬の日毬による日毬のための事務所」
 そう、あくまでこの作品はヒロインである神楽日毬を中心に回っており、日毬の目的は政治の頂点でアイドル活動は手段でしかないのだ。これはアイドルというアイデンティティーが第一にある『アイドルマスター』とは、方向の異する深みとなる。
 そうと分かると前述の凪紗も、また違った見方ができるようになる。彼女は神楽日毬の実姉である。どうやら行動原理に妹を導き支えたいという家族愛が見え隠れする。妹を助けたいのに男性恐怖症が邪魔をしてしまうジレンマは、見ていておかしくも可愛らしくある。また外から見ると強さと危うさを兼ね備えている日毬も、凪紗といるとちょっと駄目な姉を持ったただの妹であるという普遍性を見せている。
 ひまりプロの所員たちは、日毬の導き手であり後輩であり家族であり頼れるお姉さんなのだ。川村氏は先達の良さを継承し、至道流星の原作を用いて新しいアイドル物語を作り上げている。
 私は神楽日毬とひまりプロダクションが好きになった。

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2013.06.11

「大日本さむらいがーる劇場」のレビュー

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『大日本さむらいがーる劇場』

至道流星ヒロインたちの「かわいさ」

レビュアー:牛島 AdeptAdept

 至道流星という小説家がいる。
「一つの作品に世界のすべてをこめる」といった創作のスタンスをデビュー作から続けており、その幅広い知識や経験、そして作中の魅力的なヒロインたちから高い評価を受けている作家だ。

 そう、至道流星が書くヒロインたちはどれも魅力的なのだ。『世界征服』の水之瀬凛。『羽月莉音の帝国』の羽月莉音。『好敵手オンリーワン』の桜月弥生と天都水貴。ここに挙げたのはメインヒロインたちだけだが、この他にも数多くの魅力的なヒロインたちが登場する。
 読者というのは欲深で、魅力的なキャラクターを見ては「もっと活躍してほしい」と思うものだ。間違ってもキャラに頼っただけの小説家ではないが、それでも彼女たちの活躍が作中だけで終わってしまうのは実にもったいないと思わせるだけのヒロインたちを、至道流星はうみだしてきたのだ。

 そこでこの『大日本さむらいがーる劇場』である。
 まず日毬がかわいい。チョロいけどかわいい。いや、チョロいところが最高にかわいい。
 千歳がかわいい。ポンコツだけどかわいい。由佳里がかわいいし凪紗もかわいい。杏奈もかわいい。川村一真氏の描く女の子はかわいい。かわいいしか出てこなくなるぐらいかわいい。

 本編である『大日本サムライガール』を読んで彼女たちに惚れ込んだ読者が毎週木曜日に幸せな気分になるぐらいにはかわいい。

 何度も言うが至道流星のヒロインはかわいい。こうした「ヒロインのかわいさ」に焦点を当てたスピンオフ作品とは相性がよく、今までなかったことが不思議なぐらいである。

 そして、こうしたヒロインのかわいい姿こそ、我々が見たかったものなのだ。

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2013.05.29


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