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読者レビュー

鉄

灰色のダイエットコカコーラ

すぐには変われない

レビュアー:ジョッキ生 Knight

読み終えてすぐに、この本を床に叩きつけてしまった。イラッとしてね。

この本は、北海道の片隅で覇王を目指す少年が、何も叶えることもなく、ただの凡人として終える話だ。つまらない人生だ。でも、しょうがない。最初の一歩すら踏み出せなかった結果なんだから。

上京。その一歩すら踏み出せずに、俺はすごい人間になる。偉大な祖父の血が流れてるんだからという言葉の、いかに哀れなことか。聞いてて、読んでて、見るに耐えなかった。こいつマジでダメ人間だなーとか思ってたんだけど・・・・・・。

これって何か始めようかなって思いながら、やらない俺だよなーって思うと、急に胃が痛くなってきた。完全にブーメランじゃん。何もできていない俺自身への皮肉。自分の言葉で自分を傷つけていることに気付いて、思わず何かに当たらずにはいられなかった。

そして、この本を叩きつける行為に至ったわけだ。ただの八つ当たりですね。ほんと、最低だなー。反省してます。

この本の作者は、この主人公とは違い、上京して最年少三島由紀夫賞作家となり、大成した。やはり何かを始めることと、始めないことの差は大きい。何かしらアクションを起こせば、間違いなく結果は起こる。それを痛感し、そして決意した。

今から頑張ろう。そして一日、一日を大切に生きていこう。頑張ったら頑張った分だけの結果がついてくる。それが明日の自分を作っていくんだから。今がつまらないと感じるなら、変えていかなきゃ。何もしなければずっとそのままだよ。始めるのは今なんだ。

叩きつけた本をそっと拾い、丁寧に本棚に戻し。

そして僕は、二度寝した。

2014.04.22

さくら
二度寝しちゃダメですわよっー!あ、でもね、文章の端々から変わらなそうな気がしてましたの。タイトルでオチが分かってしまいましたので私の勝ち。怒らないでね♪
さやわか
「ただの八つ当たりですね。ほんと、最低だなー。反省してます。」のあたりがうまいです。堀井憲一郎さんのコラムとかに近い、軽妙な感じ。面白いんですがしかし、後半の面白い部分が明らかにオチに向かって作られてて、いやまあそれでもいいんですが、もうちょいと作品への評価とうまくクロスするようなところでオチてくれると、レビューとして締まるかな、と思いました。うーん、レビュアー騎士団の基準だと、ここでなにがしかの「愛情」の発露がないと(この作品自体への愛情でなくてもよい)、なかなか点がつけにくいのですよ!ということでこれはちょっと面白いのに申し訳ないですが「鉄」!ということにいたしました!!

本文はここまでです。