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読者レビュー

銅

「マージナル オペレーション」01

万事をゲームだと思う僕はこのゲームで作者に負けた!

レビュアー:ookamiwdmmsyj

マージナル オペレーションの第一巻はいかにも【彼を知り己を知れば百戦して殆うからず】の具象化の代物。
不完備情報ゲームの情報を全部把握し、相手がどんな戦略をとっても自分の出せる戦略は自分の極小利益を最大化することだけではなく、ゲームの参加者全員の戦略の均衡を探し出す、戦争(ゲーム)を終わらせることまでできるのはとても

心が躍る、ストライクゾーンだ!
軍事ゲームにあんまり興味ない僕にもバトルフィールドに挑戦したい気分になってきました。

最近ちょうどいろいろ勉強して、万事を中途半端な数学モデルで表現したい自分も中途半端なのは自覚あるが、この作品を読んだらますます、
【作品を読むのは作者の作ったゲームに挑戦してる】ように感じてきた。

小説は文字だけなのだが、面白いほどゲームに見えると最近僕が思う。
なぜならゲームとは数字の遣り取りとも言える。
ルールだけじゃなく、隠しルールや数学モデル全体まで見出せば、ゲームの進む状況が予測できる。
相手の目的と戦略まで理解できれば、自分が必ず優位に立つ(少なくとも負けない)戦略も出せることができるのだ。
僕から見れば、小説というゲームは、【起】、【承】、【転】でどんどん情報(伏線?)を提供し、【結】で手品みたいに線を回収することが基本ルール(?)だと思いたい。
できの悪い手品と同じ、伏線の回収戦略を予測できる(いくつかの回収パターンを想定できる)小説はゲーム的に面白くない、と。

この作品は言葉が淡々と羅列してるのだと見えるが、よく味わうとつい、かなり面白いゲームだな~と。
そして僕の負け。

シナリオではもう十分な情報を提供してる、公平なゲーム。
公平だというのは、よくキー情報を最後までうまく隠す(読者の注意を分散する)推理ゲームも遊んでた、多くの推理小説に比べれば、マージナル オペレーションは正直な方(読者の注意を分散しません)、

【結】の着け方だけで僕を魅了した。

なぜ最後の解(伏線の回収の仕組み)を見いだせないのは、リアル戦争によく似てるこのゲームは、人生経験の少ない僕には族長達や(劇中)会社・アメリカの目的を理解しませんでしたからだ。ますます三次元は難しいゲームだな~、と。

おすすめタイムの最後の一言
現代軍事に関心を持たせる作品だと思います。

2014.03.27

さくら
なんだか衝撃的。楽して読みたいのもあるから、すんなり共感できて説得力のある文章がいいレビューなんだって勘違いしてましたわ。私に持っていない感覚のレビューで非常に面白く読めました。
さやわか
小説をゲームとして解釈するというのはなかなか面白いです。独自のアイデアもあると思う。そのことを筆者自身が楽しんでいる感覚があって、僕はこれに「銅」を進呈したいと思いました!では「銀」以上を取るにはどうしたらいいかということになりますが、この書き方だと筆者の思考の流れをパッとまとめたものに近いので、もう少し文章としての流れを意識してまとめていくのがいいかなと思いました。たとえば「公平だというのは、よくキー情報を最後までうまく隠す(読者の注意を分散する)推理ゲームも遊んでた、多くの推理小説に比べれば、マージナル オペレーションは正直な方(読者の注意を分散しません)」という部分は、具体的でないので何について書かれているのかちょっとわかりにくいのです。また「【結】の着け方だけで僕を魅了した」というのもそうで、この本のどういう部分で自分がそう思ったか、書かないと読者には伝わりにくいはず。そういう意味でこのレビューは書き手の意識の流れをざっと並べたメモのようになってしまっている。なので、もう少し、作品内のエピソードに則して、具体的に書けばわかりやすくなると思いますぞ!

本文はここまでです。