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読者レビュー

銅

色校正紙

粋なファンサービス

レビュアー:牛島 Adept

 手元に一枚の紙がある。『レッドドラゴン』の第四夜にて〈赤の竜〉が現れ、咆哮するシーンのイラストだ。イラストレーター・しまどりる氏のサインも入っている。

 これは五月、徳島はマチ★アソビのレッドドラゴントークショーにて、イベント参加者全員に配布された「サイン入り色校正紙」だ。
 いろこうせいし。聞き慣れない言葉だ。いわゆる「印刷物の発色」を確かめるための試し刷りで作られるものだ。パソコンの画面などと実際の印刷とでは微妙に色合いが異なっているため、そのチェックと微調整のために刷られるのだという。普通はそのまま捨てられるそれらをこうして配るというのも粋な話だ。チェックのための試し刷りとはいえ紙の質は星海社FICTIONSと変わらないし、なにせ作家のサイン入りなのだ。嬉しくないはずがない。ましてやこれを再利用だなんて言うのは、無粋の極みだろう。
 実際、これが配られた直後のufotableシネマは「ウルリーカさんの水着! ウルリーカさん水着回きた!」「シメオン団長だった!」「俺のは地図だった! 逆にレアだ!」なんて声があちこちから聞こえてすごい光景だったのだ――が、それはさておき。
 最前線をチェックしていると定期的にこの「サイン入り色校正紙」の情報が出てくる。イベント等にはなかなか行けないという方も、是非この粋なプレゼントに応募してみてはいかがだろう。

2013.06.11

さくら
わあぁぁーー!!マチ☆アソビの企画楽しそうでしたね。行きたかったなぁー。「色校正紙」という本ができるまでの専門的な道具に触れる事によって、出版自体に興味を持つきっかけになるのも嬉しいですね。
さやわか
コンパクトにまとめられている上に、ファンの人が気になるような耳寄りな情報が的確に入っていると思います。こういう文章はレビューというよりはむしろニュース記事とかレポート記事に近いものですが、人の気持ちをつかむという意味ではうまく書けています。ただ、だからこそ気になるのはこれがもう少しレビューとして強みのあるものになったらいいなということですな。とりあえず手っ取り早いのは、「是非この粋なプレゼントに応募してみてはいかがだろう」みたいに勧誘する表現を減らしてみることかもしれません。「他人のことなんか知るか! 自分がこう思ったんだ!」というもののほうが、レビューとしてはかなり際だったものになるはずです。それに本当は、ニュースやレポート記事であってもそうだと思いますよ。今回のレビューについては「銅」を進呈いたします!

本文はここまでです。