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読者レビュー

銅

金の瞳と鉄の剣

冷徹な愛

レビュアー:大和 Novice

 これは、虚淵玄による渾身の人間賛歌だ。

 キアは人間のことをよく理解したくて、色んな疑問や行動をタウにぶつけていく。
 タウはキアの問いに懸命に答えるが、耳触りのいいことばかり語られるわけではない。
 むしろ人々の愚かさの方が頻繁に顔を出す。
 だが物語は冷徹に描かれながらも、読んでいると、カラダの芯から熱いモノが込み上げる。
 それは虚淵玄の愛を示すものだ。
 彼は人間を愛するからこそ、真摯に見つめずにはいられないのだ。

 虚淵玄が込めた人間への愛情。
 その感触は、無骨で不器用で、けれど優しく、心地よい。

2011.04.28

のぞみ
大和さんの感じた愛を語りながらも、登場キャラクターについても書いてあって良いなぁと思いました。
さやわか
レビューとして一通りのことをやろうと工夫したあとが窺えます。しかしこれ、250字のレビューにするのに苦労している節もある。「むしろ人々の愚かさの方が頻繁に顔を出す」みたいな部分というのは、自分が感じた内容を伝えようという気持ちは感じますが、この文章だけでどんな内容なのか把握するのは少々難しいようです。こういう、書ききれない部分をどうするのかというのは字数が限られている時には困りますよね。やり方は様々だと思いますが、僕なら伝えきれない部分はばっさり削除してしまうかなと思います。「字数が足りないから言えないんです」と言うのは書く側の都合なので、まずは読者が違和感なく読めるようにするといいのでは。ということで「銅」とします!

本文はここまでです。