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読者レビュー

銅

金の瞳と鉄の剣

二人の関係性こそファンタジー

レビュアー:zonby Adept

ファンタジーは苦手だ。
だが私がこの物語を読み通すことができたのは、主人公二人の関係性が非常に興味深かったからである。
タウとキア。
片や世慣れた傭兵と、片や世間知らずの魔法使い。タウは当たり前の世界を知っているからこそ、新たな地平を垣間見せるキアに惹かれ鉄の剣を振るう。キアは反対に人知を超越しているからこそ、何より人間らしくまた自分を人間として扱うタウの為に、己が瞳を金に染める。
敵をなぎ倒して得るカタルシスにはもうお腹いっぱい。
二人が何を得て何を互いに感じてゆくのか、それが本書の見所なのである

2011.04.28

のぞみ
見どころはここ!って言い切っていて、すごく好感が持てました。
さやわか
そうですな! このレビューはそこがいい。「ファンタジーは苦手」という個人的な実感からスタートしつつも、新たにこの本を読むであろう読者に対して、読みどころをきちんと教えている。文章的にはいくつか引っかかる部分があり、もう少し整える必要があるかなと思うので「銅」とします。しかしレビュアー騎士団は国語の採点をやっているわけではないので、それは些細な問題と言っていいと思います。今回は「ジャンルとかいろいろあるけど、この作品はここがいい!」みたいな書き方をなさっているレビューが多かったのですが、このレビューは自分の体験にきちんと即しているからこそ、そういうものの書き方としては説得性が高いです。これはレビューとして正しく機能していますな。

本文はここまでです。