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カテゴリ: 編集部より

土林誠

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■2巻相関図の話   

          

さて、まだまだここでお話しきれていない勇将達も沢山いますが、

星海社三国志では、文庫本の頭に人物ごとの紹介が丁寧にされているページを設けてもらいました。それは星海社太田さんと斎藤さんのデザイン事務所さんの粋な装丁力です。

この人物は誰だっけなと、なった時に本の頭に戻り再確認が出来る仕組みです。

僕の方でもこんな風に作ってみました。

文庫のお供に見て楽しんで下さったら嬉しいです。

2巻登場人物思案  イラスト 土林誠

 

3巻以降もどんどん新しい武将が出てきているので、楽しんで執筆している最中です。

僕が絵を描く仕事の中で、日本、中国、それ以外の国も、何人か勇将を描いてきていますが、それでもまだまだ足りないところがあると思って日々精進しています。



星海社文庫 三国志(二)


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(written by 土林誠

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■運命、逃亡劇の話

           

2巻では、そもそもの悪の根源であった董卓がとても無惨な死を遂げます。董卓の死後は群を抜いた勢力は特になく、大きな仕事をやり終えた飽和状態の武将達が、疲れた身体で小競り合いを続けます。

賢い武将は、そこではひたすら英気を養いそうでない者は、「董卓がいない!今がチャンス」とばかりに無謀な小競り合いをするのです。

そんな小競り合いに帝が巻き込まれて逃げて逃げての逃亡劇が文中であります。

まだ帝は幼い頃。可哀想に。

現代は生まれてからある程度の運命は、自分で改める事が出来ると思います。

逃亡しながら隠れた農家で出された粥を精一杯すする帝を読み、自分の力ではあらがえない運命についてを考えさせられました。

 

運命に翻弄される帝を思案。  イラスト 土林誠

 


星海社文庫 三国志(二)

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(written by 土林誠

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■太史慈(たいしじ)の話

          

三国志には本当に多くの武将達が登場するので名前を覚えるだけで大変な部分もあるかと思います。しかしながら、物語を読み進めて行くと、不思議とするすると先に進みたくなり、名前を忘れてしまった人がいても、なんとなくほって置いてもどんどん物語の先に行く自分がいます。

 

少し前にここで孫一族についてお話しました。2巻では孫家長男の孫策が活躍するのですが、その好敵手として、太志慈(たいしじ)という若くて熱い武将が登場します。

好敵手(こうてきしゅ)と読みますが、なんとも味のある言葉ですね。

敵でありながら、相手の勇と優を認めたという言葉の意味と僕は解釈しています。若いながらもしっかりとした器を持った孫策が太志慈(たいしじ)を家臣として迎える場面に、僕は学ぶところが沢山ありました。

 

太史慈(たいしじ)という好敵手を思案 イラスト 土林誠

 

躍動感や臨場感は、まず理解しないと絵に出来ないので何度も描いた記憶があります。

 

もみ合った状況を読みとく為、文章をそのまま絵に起こして思案。  イラスト 土林誠

 

 


星海社文庫 三国志(二)

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■横浜閑帝廟の話


このお話をしている頃丁度、春が終わり一段落して初夏へ向かう頃かと思っています。先日、取材を兼ねて横浜の関帝廟(かんていびょう)へ行ってきました。

(福岡にも行って来たので2箇所の関帝廟を制覇しました!)

 

数々の武将が生まれては星になりを繰り返している三国の時代でしたが、関羽は亡くなってから、商売と学問の神様として人々に崇められています。

関帝廟への道のりは、中華街を通っていきます。至る所に関羽がデザインとして取り入れられています。

 

面白い事に、義兄弟としては、劉備(りゅうび)が長兄に当るのですが亡くなってから、晋(しん)、唐(とう)、宋(そう)、明(みん)、清(しん)、の王朝に守られ受け継がれ神様として現代に至るのは、義兄弟3人のうち関羽だけでした。

 

生きている頃には、強いが決して自我を露にする事もなく、力量をひけらかす事もなく、控え目でありながら、圧倒的な強さを誇った関羽。

まさか自分が神様になるとは、生きた時代思っていなかったはずだと思います。

必ず何か感じるところがあるから、僕は仕事で描く史跡や縁の地には出来るだけ足を運び見て廻る様にしています。そんな散歩のお話でした。

1巻の表紙用に考えましたが、関羽の偃月刀(えんげつとう)の矛先は、本番のイラストでは

上を向いたものへ変更した。 1巻表紙エスキース イラスト 土林誠

 


星海社文庫 三国志(二)

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■呂布の特徴デザイン豆知識

       

前回、義兄想いの張飛(ちょうひ)の話をしました。今回は張飛とは犬猿の仲の呂布(りょふ)の話をします。

最近は、ゲームでも三国志を題材にしたゲームも多くあり、呂布(りょふ)も武勇の強さから人気のある武将の一人ですね。

描かれ方も絵描きさんによって実に様々ですが、その中で特徴的なデザインのパーツに、冠(かん)からのびている羽があります。実はこの羽飾りは、文献によるとキジの羽という説があり、僕の呂布はキジの羽として描いています。

しかしながら日本人の感性ではどうも虫の触角にみえるという方も多いようで、先日若い方達がゲーム内の呂布の冠(かん)の話題をしている中でちらっと伺い知りました。

特徴や個性とは時には誤解をされながらも、長い目でみれば多くの人に自分を知ってもらうチャームポイントになります。

これを読んだ方が呂布の冠(かん)の正見解を知って下さったら嬉しく思います。

 

呂布の冠(かん)/隆線を描く冠から伸びる羽 イラスト 土林誠

 


星海社文庫 三国志(二)

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■兄想いの男、張飛の話

         

暫くぶりに張飛(ちょうひ)の話をします。以前ここで紹介した義兄弟の三男坊にあたる張飛。

沢山の勇将を描く中、どの武将もおのおの特徴や性格が異なり描いていてやりがいがあるのですが、特に張飛を描くのは楽しいような気がします。(張飛を描く事が楽しいのは、呼応するように隣にいる関羽(かんう)の存在があってからこそなのですが)

 

 

何事も慎重で凛としていて、「本当に彼は非の打ち所のない人物なのではないか?」(と、僕は思っている)関羽を描くと、張飛の人間味溢れる仕草や行動が実に愛らしく感じ、「これは描いておかねば」と張飛を描きたいという気持ちに駆られます。

 

張飛と呂布は犬猿の仲で、双方の掛け合いがまるで子供のけんかのように感じる場面があります。張飛はまっすぐに劉備の事が好きな様子が伝わってくる2巻のエピソードが、気にいっています。


張飛の強さと愛らしさ/ 兄想いの張飛を思案する。魁偉な仮面 イラスト 土林誠

 

武勇を誇る勇将の中には、成人して大人になってからも、子供の様に純粋で、感情まかせなところが、大きく身体の中に占めている人物も多い。そんな勇将に惹かれます。



星海社文庫 三国志(二)

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■細かいモノの話

            

以前、吉川英治文学の特徴としてさらさらと読める

という点を書きましたが、走馬灯のように小説の中で時間が経過するからといって、絵を描く立場の僕は物語の中に出てくる‘細かいモノたち’を調べる事を端折るわけにはいかない性分です。

三国志は、日本の時代では弥生時代に相当します。

例えば、男性は殆どが長髪で何かしらの髪結いをしていますがその髪留めが気になり、(布で巻く巻き方は?!かんざし型だとしてもどう留めているか?!、まとめている髪油は何か?!)

色々と本を調べたりして、描いてみます。小冠もその1つで、それともう1つ気になったのは酒器の形です。日本の杯とは全く違う複雑な形をしています。

細かいもの / 中国の文化 模写をして形状を理解する。イラスト 土林誠

農民の大人と子供 / 中国の文化 イラスト 土林誠

 


星海社文庫 三国志(二)

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■貂蝉(ちょうせん)を描く      

            

貂蝉…ちょうせんと読みますが、ひじょうに難しい漢字で、はじめて聞いた時は女性の名前だとは想像もつきにくいですね。その美貌によって、蕫卓(とうたく)と呂布(りょふ)の親子関係に亀裂を生じさせ、国をも傾けていく美しい女性です。

 

貂蝉/ 運命を翻弄とする美しさを思案する。イラスト 土林誠

 

貂蝉(ちょうせん)登場の頃、年齢18。

義理とはいえ、親子の間で一人の女性に夢中になるので、その魅力はいかほどのものだったかと想像します。

実は貂蝉は、口元に小さなほくろがあります。絵にするとアップでなければわからない位小さなチャームポイントですが、読んでいて気になったので表紙の貂蝉の口元にはほくろを描いています。書店で本を見つけられた方は、そんなところもみつけて楽しんで頂けたら嬉しいです。

 


星海社文庫 三国志(二)

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■年齢を読み解く・自作資料

        

歴史的な人物をキャラクターとして描いていく場合、はじめに各人物の年齢を理解する必要があります。理解をした上で、年齢を変更することもケースバイケースでありますが、今回の三国志では自分で年齢の資料を作りつつあります。

キャラクターが育ち、戦場で傷をつくり、髭(ひげ)を蓄え、愛馬と共に齢をとっていく様子を

楽しんでもらえたらという気持ちでいます。

 

自作年齢資料/ 偉人達の一生を思案する。作成 土林誠

 

物語が進んでいくうちに、キャラクターが中年になり、晩年になりとなった時、僕は果たしてどのような表現をするのか?! かっこよく生きぬいた中高年を描く事ができるのか、、、?! 見守って頂けたら嬉しいです。

 

自作相関図資料/ 偉人達の関係を理解する。作成 土林誠

 

文醜/ ‘文醜の顔は蟹のごとく’とあるがどういう顔だったのか思案する。イラスト 土林誠

 


星海社文庫 三国志(二)

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■蕫卓を描く               

 

そもそもの敵対心のはじまりは、董卓(とうたく)です。

※劉備(りゅうび)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)、そして曹操(そうそう)、袁紹(えんしょう)、袁術(えんじゅつ)…数々の勇将達が、世直しの為に力をあわせて立ち上がるのは、蕫卓の横暴な政治体制への不満からでした。現代の言葉でいわば、ヒール役の親玉の様な存在の彼です。脂肪を蓄えた体格、ウェーブな髪、いかにも悪そうに描かれる事が多いですね。

蕫卓は、早い段階で呂布を養子にするので、親子関係に成ります。

‘蕫卓・呂布VS曹操率いる(※上記の)勇将軍’という敵対構図でした。ところが2巻ではこの蕫卓と呂布の親子関係が徐々に崩れていきます。

それもたった1人の女性を巡り国をも傾かせていくことになるのです!

昔も今も、力をもっても、人の心には逆らえないんだな。とある意味普遍的な柔らかいところをあらためて心に刻むことができます。


蕫卓考察中イメージ/ ヒールの親玉ともいえる大きな存在を思案する。イラスト 土林誠

 


星海社文庫 三国志(二)

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新たなる「曹操」のために——土林さんに聞く、キャラクター創作秘話。(後半)

 

曹操ってどんな男!?

太田:現在、『三国志』の二巻までお仕事を進められてきて、土林さんからみて曹操ってどんな男だと理解されてますでしょうか?

土林:正直、まだ分かりにくいですね。幼少の頃のこともまだよく分からないですし。彼の言動が、今の自分から見てまだ掴みきれていないといえば、掴みきれていないですね。掴むのが難しい人物だと思います。

太田:僕も今回『三国志』を改めて読み返して、吉川英治の曹操はすごいエキセントリックな部分がある人なんだなって感じました。すごい情に厚いかと思ったら、異常に酷薄なところもあるじゃないですか。二巻の徐州攻めでは、親父を殺されて怒ってる半面、「これで攻める口実が出来た……!」くらいに考えているところとか。やっぱり、天下取る人間は違う!!

土林:戦乱の時代ならでは発想というか、ふだん僕たちが生活しているところからの発想ではないような気がしますね。

太田:今の土林さんの言葉ってまさに曹操を表した「治世の能臣(のうしん)、乱世の奸雄(かんゆう)」だってところがあって、そういう意味だと、治世の後漢時代から乱世の三国時代に至る動乱そのものが彼のキャラクターをよりエキセントリックな方向に振ったということも考えられますよね。

土林:そうかもしれないですね。

太田:そもそも乱世でなければ父親があんな形で死ぬことないですからね。本人も人を殺したりしなくてすんだでしょうし。もとからの人格だったのではなくて、乱世の事件のひとつひとつが彼の心の奥底から新しい性格を引き出していったのかもしれませんね。劉備(りゅうび)だって乱世じゃなかったらそのまま静かに暮らしていたかもしれない。そう思うとこの2人、好対照なんだけど実は似ているのかもしれないですね。

土林:ですねえ。

  

太田:二巻までの時点だと、曹操の魅力的を感じたところはどこですか? ちょっとついていけない所とか……(笑)。

土林:彼にはもちろん国をまとめたいという志があるとは思うんですけど、そこに至るまでの経緯を考えると、曹操がどういう存在なのかっていうのは今の時点ではまだ僕には分かりにくい部分がありますね。

太田:曹操に部下になれって言われたどうします?

土林:……難しいですねえ(苦笑)。

太田:今まで属していたゲームを作るチームや組織の中だと曹操っぽい人だれでした(笑)?

土林:うーん、ちょっと答えられない……(苦笑)。そうだ、太田さんのスタッフの岡村さんからみて太田さんは『三国志』だと誰だと思いますか?

岡村:曹操ですね!

太田:うーん、ぼくは劉備だと思うし劉備になりたいんですけどねえ〜。

岡村:明らかにそれはない。僕、たまにこの人本当におかしいなって思うときありますからね。

(一同 笑)

岡村:だけどすごく合理的だなと思うところもあるので……しかし、絶対に劉備ではないです。これだけは言えます!!

太田:曹操って本人もすごく才能あるんだけど、それ以上に他人の才能を使うのが巧い人なので、そういう所は編集者に近い気はします。その点、劉備は人の使い方が下手なんですよ。

土林:劉備の場合、いわゆる人徳などで人が集まってくるイメージがあるんですけど、曹操にも有能な人が集まるじゃないですか。だけど、集まり方に違いはありますよね。

太田:曹操には張飛(ちょうひ)のように偉くなっても「兄貴ー!」と慕ってくれる部下はいませんよね。そこは劉備と明確に違う点ですね。

土林:曹操は「この人が欲しい!」という表現で人を集めてこさせるわけですけど、そういった個人的な欲望以外の角度からも才能のある人が集まってくるような引力を持っている。不思議な人です。

太田:曹操は人材コレクターですから。逆にそれが嫌だって人も出てきちゃうんだけですけどね。さきほどからお話を聞いていて、土林さんらしいなと思ったのが、曹操と劉備がまだ分からないって仰るところがおもしろいですよね。ふつうは、まずこの二人に明確なイメージを持って『三国志』の世界を描き始めると思うんですよ。

土林:劉備の場合、彼が人徳で人を集めるような印象は、まだある程度イメージできたりするんですけど。ただ曹操の分からなさは……、彼のすごいエピソードを見るたびにどうしてそんなことができるのか、彼が何を考えていたのかが分からなくて……挿絵で登場しているシーンのイメージは描けるんですけど、曹操というひとりの人物像をこれからどう描かせていただければいいのかなぁと。

太田:悩みながら、描きながら、その答えを見つけてらっしゃるんですね。土林さんは一枚の挿絵に対して、4,50枚のデッサンをお描きになるじゃないですか。すべての人物に身長や体重を設定されていたり、小説に著されている年齢と身長以外にも身長や年齢を想像して設定しています。今どきこんなに非効率に仕事していいのかってくらいな丁寧な仕事だと思います。本当に感心します。土林さんは『戦国BASARA』や個人で創作されている新選組など、割と歴史ものを数多く手掛けられていますが、どれも今回みたいに綿密にデッサンをお描きになるんですか?

※絵・右側に小さな文字で数字で身長を記しています。

土林:基本的にはそうですね。ただ、綿密とはいっても、その時代の町や風景を考え出すとすごい幅が広くて、こうしたほうがいいんじゃないかって思うとどうしても描く絵の枚数が増えていく方向に……。

太田:ふふふ。他のイラストレーターの皆さんももちろん調べてお描きになっていますが、ここまでのノートを作る方というのはなかなかいないですよ! すごいです。僕も今回、土林さんとお仕事させて頂いて、歴史ものをやるならこれくらい気合い入れないといけないんだって学ばせていただきました。

土林:好きな三国志キャラが既にいるかと思いますが、イラストとして気に入ったキャラクターは誰ですか?

太田:僕はやっぱり曹操ですね。あとは関羽と張飛。張飛はとくに、皆が張飛に抱いているイメージを下敷きにしつつ、土林さんの解釈が新しく入ってきているのが新しい。張飛かわいいよ張飛。

土林:ふふふ。例えば、関羽のお髭はすごく長くて有名ですが、年とともに伸びていくような感じで、小説のイメージをふまえつつ少し違う表現かもしれませんが、自分なりにイメージして描かせてもらっています。

太田:関羽は固定イメージが強すぎるんですよ。でも張飛も同じくらいイメージが強かったはずなんですけど、土林さんの絵は彼の「末っ子キャラ」が伝わってくるのがいいです。そして、先委も述べましたが、「曹操は赤」っていうのが、イメージを裏切りつつかっこいい! あと、今回の二巻で僕がすごく気に入っているのは、典韋(てんい)が死ぬところ! 見開きの挿絵を二回連続で使いましょうと土林さんから提案してくださって……絵描きさんから先にそのアイデアを言われたのは初めてだったので嬉しかったです。

岡村:「毛虫のように」と小説では表現されているところですね。曹操があまりにも典韋を可愛がっていたからか、その曹操の乗りうつった様に土林さんから典韋のラフが送られてきていましたね。

太田:あのラフからの完成にいたる流れはすごかったですね……。と、こんな感じでこれからも折りをみて土林さんを囲んで『三国志』のお話しをすることができればと思っております。皆さん、ぜひ土林『三国志』を応援してください!!

(了)

 


 

 

 

星海社文庫 三国志(二)


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(written by 土林誠

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新たなる「曹操」のために——土林さんに聞く、キャラクター創作秘話。(前半)

 

土林誠、吉川英治版『三国志』のビジュアルイメージを語る

太田:星海社文庫から発売中の吉川英治の『三国志』。ぜひ読んでください! 今日はその装画を担当し、新たな息吹を『三国志』の世界に吹き込んでいる土林誠さんとざっくばらんに土林三国志における曹操(そうそう)について語りたいと思います!              

       

土林:そうですね。

太田:土林さんの曹操はイメージカラーが赤ということになっていますが、何故この色になったのでしょうか?

土林:曹操が初登場するシーンで、兜から馬具も含めて全て赤いという表現があったので、そこからイメージがきています。

 

太田:初対面のイメージからだったんですね。あの炎のシーンはすごくかっこいいですよね。普段土林さんがキャラクターメイキングするとき、こんな感じで最初に色から決めることが多いんですか?

土林:そうですね、色からとる場合もあれば、線画を鉛筆で描いてから色のイメージを持っていくこともありますが、今回は他にも関羽(かんう)の場合でしたら緑のイメージがはじめにありました。

太田:『三国志』の場合は、キャラクターごとにまず色が最初に浮かんだという感じなんですね。

土林:人物によりますね。劉備(りゅうび)は何色かな? ってずいぶん迷いました。曹操は文章の表現として色があったので助かりましたね。

太田:たしかに関羽と曹操については最初から小説で色の方向性はちゃんと示されていましたね。とくに曹操の場合は明快でした。たとえば、土林さんの今までのお仕事で「赤」といえばこれだ! というキャラクターはおられますか?

土林:ゲームだと株式会社CAPCOMさんに社員として在籍していた時に制作に携わった『Devil May Cry』のダンテ。

太田:ああっ!! そうか、確かにダンテは赤いですよね。

 

太田:今回の『三国志』の曹操だとどういう赤ですか?

土林:曹操の赤は……炎の中から出てくるシーンなので、この様にみえていますね。

太田:わりとシーンによって色合いが分かれてくる感じなんでしょうか?

土林:そうですね。このあたりの赤を元にしています。

 

絵・左から蕫卓(とうたく)・曹操(そうそう)・呂布(りょふ)・貂蝉(ちょうせん)・太史慈(たいしじ)・孫策(そんさく)・劉備(りゅうび)・張飛(ちょうひ)・関羽(かんう)

 

太田:キャラクターのパーソナルカラーという点においては、曹操は赤というよりも、より深い深紅になっていると思うのですが、それは何故でしょう?

土林:これは小説を読んでいるとそう感じたんですね。曹操は赤とか朱よりも、より目立つ深紅だろうと思いました。

太田:実は曹操に赤っていうイメージは珍しいんですね。日本における他の『三国志』作品の曹操だとブルー基調のものが多いんです。本場の中国では黒です。悪役ですから(笑)。日本の場合は赤って、呉の孫一族に赤を持ってくることが多いんですね。おそらくですけど、コーエーの歴史ゲーム『三国志』シリーズで魏が青、呉が赤、蜀が緑という配色なんですよ。そこに影響を受けているものが多いんじゃないかな、と。ですので、そういう意味だと、赤、深紅を魏のシンボル中のシンボルである曹操のイメージカラーに持ってくるのって、星海社から出す吉川英治著三国志ならではの表現で、今までの『三国志』のビジュアルイメージ上、ありそうでなかった色使いだと思います。

 

後半(3/25公開)へ続く

 


 

星海社文庫 三国志(二)


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三国志二巻、発売しました。


■孫家族の話-父と子達を描く-  


大好きな映画の1本にレッドクリフがあります。映画のテーマソングを聞くだけでわくわくする壮大な歴史大作活劇で、皆さんも御存知かと思います。映画での印象として孫一族というと孫権が真っ先に頭に思い浮かぶ方も多いだろうと思いますが、孫堅(そんけん)(父)・孫策(そんさく)(子(兄))・孫権(そんけん)(子(弟))の3人が最も著名ではありますが、実は大家族で、正妻の呉夫人の子は、三男孫翊(そんよく)、四男孫匡(そんきょう)までいます。

2巻では、弟君の孫権はまだ子供なので、父・孫堅と 長男・孫策の絆が描かれていています。

ただし、残念なことに父・孫堅は短命でした。(前回書きましたが、強い武将が必ずしも長く生きるとは限らないのです。大きな音と共にパッと、花火の様に鮮やかでありながら、一瞬活躍してすぐに亡くなってしまう勇将も沢山います。)

父の死後、兄弟2人が歯を食いしばって生きていったであろうと想像できる箇所が、2巻ではいくつか出てきます。もし、父が生きていれば、孫一族の拠点、揚子江の支流にあたる流域で、水利、文化、に良く恵まれた環境にて青春時代をゆったりと育ったであろうにな。。と

僕は、そんな事を頭に想い描きながら、兄・孫策と弟・孫権を描きました。

2巻を読むにあたり、父・孫堅の花火の様な生涯も一瞬駈け抜けるような文章ですが、読者の方に読んで味わって頂きたいなと僕は思いました。


孫堅の子、孫策考察中イメージ/ 父の死後も、大江の魚のように強く生きていく孫策を思案する。イラスト 土林誠



星海社文庫 三国志(二)


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■儚さを描く(呂布と貂蝉の話)    

  

今日は表紙の絵の話をしようと思います。イラストを依頼される時に、描き手(僕)がはじめの一歩、又はその一歩目を踏み出す前に、少し構える絵が、表紙や扉絵といった類いの絵です。なぜかというと、本やゲームなどその作品の‘顔’にあたり、手に取って下さる方が一番最初にその作品に触れる部分だからです。

1巻では熱い男同士の勇ましいイラストを描きましたが、2巻ではがらりと絵の趣きを変えました。呂布(りょふ)という勇ましく強い1人の武将の栄枯盛衰を一枚の絵の中に描きました。

たった一枚の絵の中に、栄枯盛衰を盛り込むという事は、結構骨が折れ、それは構図だけでもなければ、絵柄だけでもなく、ましてや描きこみだけでもなく。


キャラクターそのものに大きく心をあずけるところからやっていきようやく絵になりました。


儚さ(はかなさ)や切なさ、そして人の運命とは不思議なもので、強い武将が必ずしも長生きするとは限らないのです。強くも不器用な呂布という勇将に想いを馳せました。

僕は、読者が三国志を読み終わったのち、「あー読み終わったー!」と文化的なスポーツ後の様なさわやかさと小さな達成感で、ふと表紙に目を移すと「本当にこの絵のとおりの物語だった」と何となくでも感じて頂けたらいいなという思いを込めて描いています。

読了の時、再び表紙をふと、、みてみて頂けたら感無量です。


呂布考察中イメージ/ 呂布という強くも不器用な偉人を思案する。イラスト 土林誠


 

 

星海社文庫 三国志(一)


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■曹操を描く(1) 

土林です。いつお話しようかタイミングを考えあぐねていました。三国志の偉人達の中で曹操(そうそう)が1番好きだという方は多いと思います。

幼少期から大人になるまで、多くのエピソードが語りつがれ、実に色々な側面を持つ曹操。僕がキャラクターを描く時に、まずその人物の歴史的エピソードなどの経緯を重視しているので小説を普通に読んでみて、それからさらに細かい区切りで読んで、人物考察をする。

僕が描いているのは吉川英治著・三国志の曹操なので、筆者の文章から「吉川英治先生は、曹操という人物像をこう思っているのではないか。」という点を僕なりに組み立てていきます。実は、以前お話しした劉備(りゅうび)では、キャラクターを起こす時1番頭を悩ませたのですが、曹操に関しては初稿の頃からわりとスッと僕としての曹操像のイメージが出せました。毎回の事ですが難産なキャラクターもあればスッと出てくるキャラクターもあり、日々、描きながら一喜一憂しています。

 

 

 

 

星海社文庫 三国志(一)



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■黄巾賊-こうきんぞく- 

土林です。初頭の戦いで出てくる黄巾賊-こうきんぞく-。張角(ちょうかく)を筆頭に、張梁(ちゅうりょう) 張宝(ちょうほう)の2人の個性的な弟を率いた勢力の大きな民を苦しめる賊グループです。この3人との戦いを機に、義兄弟の活躍が物語として少しづつ進行していきます。張角(ちょうかく)、張梁(ちょうりょう)、張宝(ちょうほう)の戦場戦略は実に個性あふれています。三国志を読んでみた文章から陣形を思い描きメモをしてみました。

 

 

黄巾賊との戦い図解イメージ/張角 張梁 張宝を思案する。イラスト 土林誠


 

 

星海社文庫 三国志(一)


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(written by 土林誠

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■ロマンスとロマン2014

土林です。表題とはあまり関係ないですが、世間ではバレンタインデーが近いのでスーパーマーケットからデパートまで沢山のチョコレートが並びます。友達や同僚から両親そして本命の方へとロマンスの気持ちがある人物にチョコレートを贈り、信頼や感謝を含む、愛情の表現をするのかと思います。

三国志1巻では、これからはじまる流転(るてん)の様な戦場での展開の序章として男同志の人間関係が描かれている部分が多いのですが、じつは劉備(りゅうび)のちょっとした初恋の様な淡いロマンスが一節として在ります。桃園の儀で世直しの誓いをして、義兄弟の長兄としての立ち位置の劉備(りゅうび)が、助けた芙蓉妃-ふようひ-に恋をするのですが、それに対して弟分の関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)が「世直しを前に兄者(長兄の劉備)は女ごととは何事ぞ!」とやきもきとする箇所があります。美しい情景の中での淡い恋の綴りと、やけ酒にも類するお酒を関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)が酌み交わしている男のロマンを語り合っただろうなと想像できる綴りとの対比がとても面白いと思います。皆さんも読み進める中で見つけてみて頂けたら嬉しいです。

 

岳南の佳人イメージ/ 銀を刷いたような、朧をひいた月の事を思案する。イラスト 土林誠

※刷(は)いたような…刷毛(はけ)で塗った様な、  朧(おぼろ)…ぼんやりとかすんでいる様


 


 

 

星海社文庫 三国志(一)


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■桃園の儀 男同志の絆 

土林です。三国志を語る折の名場面の1つとして劉備(りゅうび)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)の3人が義兄弟としての契りを交わす場面があります。

その場面は、『桃園の儀-とうえんのぎ-』とよばれ世間一般的に浸透し語り継がれており、黄巾賊にひどい目にあわされている民を助ける為、力をあわせて世直しをするぞ!という男同志の絆の宴の場面です。名場面なのですが、実は資料としては非常に少なく、中国の卓思案のイラストで描いたように、中国の卓を調べ、宴の食を調べ、義兄弟の並び順番を調べ、儀式中の手の合わせ方を調べ、といった具合で名場面だからこそ虚偽を描きたくないという気持ちが強かった。という必死だった思い出があります。料理などは実にシンプルな調理法であった事などをスケッチなどに記したりメモしたりしておきました。三男坊的な立ち位置の張飛(ちょうひ)のやんちゃな雰囲気が出せたらいいなと思いながら描いていた事を鮮明に覚えています。



 桃園の儀考察中イメージ/ 桃園という義兄弟誓いの宴を思案する。イラスト 土林誠

 


星海社文庫 三国志(一)

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■馬という美しく賢い生き物 

土林です。義兄弟(ぎきょうだい)といわれている、三国志1巻の前半登場キャラクターの

劉備(りゅうび)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)、の話をしたので、今日は少し違った切り口のお話をしてみたいと思います。

西暦2014年が明けてあっという間に1月の末日になりましたが、今年の干支は午年-うまどし-です。表題のままですが、僕にとって「馬の美しさ」と、「馬を描く事の難しさ」の2点には、この仕事に携わってから長い事、表現を探るうえで嬉しい悩みの種になっています。

自動車やオートバイや自転車等の人の乗り物が無かった時代、馬は、人にとって良き相棒という存在でありました。なおかつ、中国という広大な土地でいかに早く移動出来るかという点は、戦場で勝利をおさめる鍵だと思います。三国志は、物語前半から名馬として『赤兎馬-せきとば-』という優馬が登場します。さらさらと読める吉川英治文学ですが、赤兎馬-せきとば-の描写だけは、機を見て度重なり綴られている点からも、いかに名馬であったのだろうかと僕は想像します。

そんな点から、もう一度中国大陸での馬種から調べたりしました。日本の馬とは少し違っているんです。そして、勇将のそばには、必ずと言っていいほど、美しく賢い馬が寄り添っているような気がします。


 

馬考察中イメージ/ 勇将と優馬を思案する。イラスト 土林誠

 


星海社文庫 三国志(一)

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■義兄弟(3)張飛を描く

土林です。今回は、義兄弟の三男坊にあたるのではないか!? という立ち位置の張飛(ちょうひ)の話をしたいと思います。張飛のイメージとして髭が濃く、大酒飲みで、少々荒くれ者というイメージが強いという方も多いと思いますが、僕が描きだした初めの頃の張飛は、やんちゃで茶目っ気もある三男坊というかわいい一面もある男として描きはじまりました。

地団駄を踏んだり、ご飯茶碗をすっからかんにしておかわりを求めたり、兄2人にどこか運命を委ねている点が絵から少しだけでもわかっていただけたらいいなと思っています。

勿論、歴史的な名場面「虎牢関の戦い」をはじめ、劉備を支えていく為に大きな活躍をしていく偉人です。驚異的な武将としての強さと、三男坊としてのかわいい一面とその両方の魅力を絵から感じ取って頂けたら嬉しいです。

 

 

張飛考察中イメージ/ 張飛という三男坊を思案する。イラスト 土林誠



星海社文庫 三国志(一)


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■義兄弟(2)関羽を描く

土林です。前回、義兄弟の長兄にあたる劉備(りゅうび)について書きました。表題のとおり劉備には兄弟の契りを結ぶ2人の弟がいます。そのうちの1人が関羽(かんう)です。

日本でも各地の中華街には関帝廟(かんていびょう)が建てられ、現代においても関羽の人気が伺えます。

関羽の風体として長い髪と美しい髭が特徴として周知されていますが、第1巻として僕が描いた関羽は髭が短かったり、あるいは美しい髭をあえて描いていない絵もあるのは、「容姿なども含めて、これから偉人達がキャラクターを立てて育っていくということをやっていきたい」という新しい提案を今回、星海社編集チームに受け入れて頂けたからです。偉人の成長を。大業の道のりを。と思って描きだしました。読者の皆様にも見守って頂けたら嬉しいです。


関羽考察中イメージ/ 関羽という偉人の若い頃を思案する。イラスト 土林誠


 

星海社文庫 三国志(一)

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■義兄弟(1)劉備を描く


土林です。吉川英治三国志1巻の一番最初の登場人物は、劉備(りゅうび)です。まだうら若い劉備が母の為に茶葉をもとめるところから物語がすすんでいく。

実は今回一番表現として頭を悩ませたのは劉備でした。
物語の中で沢山の偉人が登場しどの人物も魅力的で個性が強い中、ゆったりした雰囲気でありながら凛々しさもあると感じた劉備を、どのような雰囲気で描けばよいのか悩みました。
それでいて、民や義兄弟、関羽(かんう)・張飛(ちょうひ)からの信頼が厚い人物です。


劉備考察中イメージ/ 劉備という民に信頼厚い偉人を思案する。イラスト 土林誠


 

星海社文庫 三国志(一)

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■さらさらと読む

 

土林です。星海社さんから吉川英治三国志第1巻が発売されて少し経ちました。
じつはこの物語は長編の小説で全部で8巻あります。


僕は絵を描く資料としての書物は目を通しますが、本の虫のように読書を常としているわけではありません。今回のお仕事では絵でえがくところを担当させて頂いたので、そんな僕でも吉川英治三国志を勿論読んでみました。


流れるような文体で、時の経過が走馬灯のようにあざやかに巡ります。
手に持つと他の平均的な文庫本に比べるとずしりと厚みのある方だと思いますが、さらさらと読んでいくことが出来ました。(この文体は、吉川英治先生の他の歴史を題材にした作品にも共通する点が多々あります。)


今回は、イラストを沢山収録してあるのでそれも少しは手伝ってくれて

「厚い本は苦手だな」

とか

「一度挑戦したけど途中で読むのやめてしまった」

という方にも再度読んでみようと思って頂けたら絵描き冥利につきて、僕は嬉しいです。



中国の卓思案/ 当時の卓、席の順番などを調べる。  イラスト 土林誠

 

星海社文庫 三国志(一)

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■吉川英治三国志に挑む

 

土林です。ようやく第1巻が刊行されほっと安堵の溜息をつく間もなく、第2巻の絵を綴る準備をしています。

 

星海社の太田さんからこのお話を伺ったのは4年位前のとある冬の寒い日の事でした。

仕事で歴史を題材にした絵やキャラクターを描いてきましたが、僕が絵を描いて生きてきた中で大きな意味のある仕事になりそうで、食事をした帰り道、ぐるぐる巻きの襟巻に首をうずめてこれからはじまる長い物語に少しの不安を抱えながらも、冒険心から小さく1人笑ったような気がします。

 

吉川英治先生著作三国志は、国民的文学として長い間愛されてきた歴史的傑作です。

 

筆者吉川英治先生への敬意・英雄栄枯盛衰の歴史的経緯・そして歴史的登場人物として大業を成し遂げた偉人達への敬意・絵をえがく者としてこの『3つのけいい』を大切に思い、僕としてのキャラクター人物表現を入れていきました。壮大な物語を読み解く手助けとして僕のイラストが少しでも道しるべになってくれたら嬉しいと思っております。

 

呂布考察中イメージ/ 呂布という強くも不器用な偉人を思案する。イラスト 土林誠

 

星海社文庫 三国志(一)

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