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カテゴリ: 編集部より

編集部ブログ

【収録作品多数!】『藤島康介デビュー30周年記念自選画集 僕と彼女と乗り物と。』いよいよ発売!!

声を高らかに……

 

藤島康介先生、画業30周年おめでとうございます!!

そして、ありがとうございます!!!

 

画集『藤島康介デビュー30周年記念自選画集 僕と彼女と乗り物と。』いよいよ発売です!!

この記念すべき画集のコンセプトは、「乗り物」「人物」とりわけ、「女の子」

 

不朽の名作『ああっ女神さまっ』からは、ほうきにまたがるベルダンディー、タコに乗っかる三女神(ベルダンディー、ウルド、スクルド)等々。個人的にも大好きなバディもの『逮捕しちゃうぞ』からは、「フェアレディZ」や「ミニパト」で疾走する夏美・美幸コンビ、そして藤島作品の真骨頂とも言うべき、精緻な車やバイクの数々。この切り口で藤島作品を堪能できる画集は、本作が初めてでしょう! 

さて、自信を持ってお届けする今回の画集。その見どころの数々をご紹介します。

 

まずはなんといっても、画集の「大きさ」。

ズバリ、正方形です!

 

 

今回の画集を進めるにあたり、藤島さんの膨大な作品を眺めました。

 

そこで気がついたこと。

藤島作品の多くは、この「正方形」の誌面に映える。

例えばこのバイク。

 

 

どうですか、このフィット感。

縦長、もしくは横長の誌面ですと、イラストを小さく収録しなければなりません。

この大きく正方形の誌面でこそ、多くの藤島作品は存分にその魅力を発揮する! その点を発見してしまったのです!!

誌面が大きいことによるもうひとつのポイント。

それは、見開きの作品がダイナミックに堪能できる!

 

 

この疾走感!!

 

そして、藤島作品に登場する独特の「余韻」を持つ代表的なページ。

いずれも大きなサイズで見ると、藤島作品の持つ素晴らしさを再確認できます。

ちなみにこの見開きページは、今回の画集の「エンディング」に登場します。「余韻」を持つページとして、最高の締めくくりです。

この見開きに関連し、もうひとつ工夫をしている部分があります。

それは、ページの「ひらきやすさ」。

本を製造する最後の工程「製本」。今回、そこにひと工夫を入れてます。

作品をより大きく、隅々まで楽しめるよう、ご担当の印刷製本会社さんが提案してくださいました。

目に見えずらい部分に細やかな配慮を頂き、素敵な画集が出来上がりました。

 

さて、続いては画集のメインとも言える収録作品について。

言わずもがな、「最高の仕上がり」です。

藤島作品の持つ淡く繊細な色調を、どのように再現したか──。

続きは、次回ブログで、しっかりとお伝えします!

すぐに更新しますので、しばしお待ちを!


 

画集『藤島康介デビュー30周年記念自選画集 僕と彼女と乗り物と。』は、本日から発売です。

8月31日以降から、多くの書店さんで本格的に店頭に並びます。

本日の、また次回のブログでご紹介する内容は、実際に画集を手に取って頂きながら読んでもらえますと、より魅力を実感できます。

ですので、迷っていたら……いや、迷わず買ってみてください!

 

それでは次回ブログで!

すぐ更新するよ! 

 

星海社PIECE『藤島康介デビュー30周年記念自選画集 僕と彼女と乗り物と。』

著者:藤島康介

定価:4200円(税別)

ISBN:978-4-06-220259-6

発売日:発売中

サイズ:A4変形(297mm X297mm)

Amazonはこちら 

雨の眩暈

 蝉時雨が遠く、高く、響く。強い太陽の光で影が濃く染まる。陽炎がゆらゆらと揺れる。

 そして僕達はみたのだ。

 あの永遠の少女を。

紺色のサーブ

 金色のカナリアが僕の乗っているサーブに訪れたのは、日曜の夕方のことだった。

 ひとり、なんとなく黄昏れた気分で海をみにいった帰り道、高速道路なのに渋滞に巻き込まれた。僕はうんざりしてもう温くなった缶コーヒーでただくちびるを潤していた、その時だ。カナリアは開けていた窓からすいっとはいってくると、助手席にとまった。

「やあ」と僕はカナリアに挨拶した。先刻いったように、ひまなのだ。「君の名前は?」

「トリコ」悲しくなる程きれいな声がした。僕は驚いて横をみた。そこにはちいさな、本当に掌に乗る程ちいさな女の子がいた。前方の車が少し動いた。僕はあわててハンドルに手をかける。

「あなた、最近なにかを失くしたでしょう」とそのちいさな女の子はいった。「大切な……、ひとかしら?」

 僕は頷く。

「まあね。そうかもしれない」

「きっとそうね、あなたの後ろから歌がきこえてくるもの。あ、もしかして失くしたのって、あなたの奥さん?」

「それ程大切にしていなかったかもしれないけども。まあ、そこは受け取り方の問題だから。でも僕がいつもこんな風に話すから、僕のこと、嫌いになったのかもしれないね」

「出張から帰ってきたら部屋が空っぽになっていたんでしょう? 置き手紙だけを残して」

「どうしてそんなことしっているの」

「歌がきこえるから。風に乗ってね」

「虹を渡って、かもしれないね」

「あなたって詩人なのね」

僕のカナリア

 僕のちいさなカナリアが、ある日、かわいい女の子になっていた。掌の載るくらいのちいさな、ちいさな女の子に。彼女は金色の籠のなかで、きれいな声で僕にささやいた。

「あ、おはよう」

「うん、おはよう」

 僕は驚いて彼女をみつめる。彼女はちいさく頷く。

「ねえ、ねえ、ここからだして」

 栗色のショートカットの、目ばかりおおきな女の子だ。真っ赤なスイトピーのようなワンピースを着ている。

 僕は籠から女の子を取り出して掌に載せた。

「君は何処からきたの?」と僕はきいた。

「銀河の彼方からよ」くすくすと彼女は笑う。

「嘘だ。昨日、僕がこの籠に布をかける前に、この籠にいたのはカナリアだよ」

「カナリアの名前は?」

「トリコ」



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