嵐の前日は、暴風雨。
2012.04.17
12月20日の僕は、薄目の鼠色のエプロンという服を着て、一日ウエイターとして給仕をしていた。
13日のニコニコ生放送「公開企画会議(仮)」にて上京を決めた1週間後、上京して2日目のことだ。
上京した小柳粒男を応援するため、カンパを募ろうという企画だった。渡辺浩弐さんが、「公開企画会議(仮)」をおこなっているカフェを開いてくださり、そこでウエイターとして僕は働き、当日のコーヒー代をすべてカンパとして頂ける、ということだった。
有難い。
そういう感情は当然あったが、開店準備を済ませ、エプロンをまとい、開店を待っていた20日の僕が抱いていた感情は、そこまで実直ではなかった。
憔悴のようで、焦りのようで、興奮に近い何かはあったけど緊張は少なく、とにかくやるしかない、と思っていた。前日に指導してもらった給仕の作法を頭の中で反復しながら、同じような言葉を思い浮かべていた。
コシヒカリと炊飯器とハメットと
2012.04.17
目の前に、コシヒカリと、炊飯器と、ハメットがある。
欲しいものリストを通して、読者の方から送っていただいた品々だ。
こんなにありがたいことはない。これだけで生きていけるではないか。
食事は毎日外食かコンビニ弁当だった。朝昼晩の三食共に、それだった。食べ物以外にも飲み物や間食用の菓子類も買っていたので、一日の食費は軽く1500円以上だろうか。
現状はお米がある。毎日買うべきものはおかずとドクターペッパーくらいになった。一体いくら節約できるのだろうか。
言葉にできない、なので。
2012.04.16
夕刊の配達をしていると、興奮した山中さんから電話がかかってきた。
ちょうどビル内の非常階段を上り下りしてところだったので、一息ついて、階段に腰掛けた。
13日に上がった日記を送った日だったので、もしかして没かな? と思いながらおそるおそる電話をとった。
それは杞憂だった。
「ちゃぶ台が送られてきましたよっ!」
正直、ありえないと思っていた。すごくうれしくて、でもうれしいだけでは程遠くて、でもうれしいことに間違いもなくて。
不思議な感覚が、僕をまとっていた。
もう一度デビュー作を書くということ
2012.04.13
書いている小説の進行に合わせて、今どういったことを書こうとしているのか、現在の執筆状況はどうなっているのか、をここでは書いていきたい。
小柳粒男の作品
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本文はここまでです。