コシヒカリと炊飯器とハメットと
2012.04.17
目の前に、コシヒカリと、炊飯器と、ハメットがある。
欲しいものリストを通して、読者の方から送っていただいた品々だ。
こんなにありがたいことはない。これだけで生きていけるではないか。
食事は毎日外食かコンビニ弁当だった。朝昼晩の三食共に、それだった。食べ物以外にも飲み物や間食用の菓子類も買っていたので、一日の食費は軽く1500円以上だろうか。
現状はお米がある。毎日買うべきものはおかずとドクターペッパーくらいになった。一体いくら節約できるのだろうか。
今月ほどお財布が危うくなった月はない。
北海道から持ってきた、高校二年の頃から使っているパソコンが使用不可能に近しい状態まで陥ってしまったのだ。メールは受信はしても送信できず、Wordをひらけば数分で落ちてしまう。
二月の頃からそういった状態だった。三月は我慢したが、「二十四歳の地図」が本格的に始まり、僕のほうからも積極的にネットを利用しないといけない状況になってきたので、このまま放置はできなかった。
つい先日、意を決して、パソコンを買い換えた。
有楽町のアウトレットショップを利用したので、金額自体は抑えられたと思うが、そうはいっても安い買い物なんかではなかった。
今月は本当にピンチになるかもしれない。鯖缶を中心においた生活にしてなんとかしのぐしかないのだろうか。
そんなことを思っていた矢先、山中さんからのメールで、炊飯器とお米が届いたことを知った。
今日からは、自分が食べるためだけに、お米を炊くのだ。
なんともいいがたい感動がある。お米を炊いた経験自体は、ある。でもそれはあくまで家族全体の食事の手伝い、というレベルでの話だ。
今日からは、自分が食べる分だけ、自分のためだけに、お米を炊くのだ。
なんだか笑ってしまうような感慨がある。
少しだけ、幸せってものの形が見えてきた気がした。
今日からはしばらくは、お腹を空かせること、がない。
今日から毎日、このお米を食べて、闘うための準備を欠かさない。
小柳粒男の作品
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本文はここまでです。