夏休みの力作、続々到着!!
太田 僕も南の島なら人生ちょっとは再出発できるのだろうか……。
石川 これは実体験ベースなんですかね? プレゼンとしての10話と考えると、まず最初にフィリピン生活のキモを読みたかったです。センシティブな題材でもあるので、もう少し反省的な目線があってもいいと思います。
櫻井 実体験を基にされているのかもしれませんが、フィリピンの情報とそれに対する眼差しや感性がちょっと古いので、今読んでも「あるある」や「へ〜!」と共感しづらかったです。もっとぶっとんだ設定のキャラクターを出すなど、ひと工夫ほしいところです。
片倉 フィリピン人との国際結婚というテーマを扱う以上、『愛しのアイリーン』と比較されてしまうかと思います。現時点では「フィリピン漫画」という以上の印象に乏しいので、この作品ならではの強みを強く打ち出すか、思い切って別のネタに挑むのがよいのではないでしょうか。
林 今っぽいバズりそうなエッセイですね。ただ、フィリピンを舞台に何を語るか、が重要かと。例えば「フィリピンでアイドルPはじめました!」とかでしょうか。海外エッセイものは今レッドオーシャンなので、どう差別化するか戦略を練りましょう。
岡村 デフォルメされたキャラクターが可愛いですね! 作家さんが好きな風に作品を描いているのが伝わってくるのは良いことです。一方、人外さん相手のメガネ屋というのは、そもそも人外さんがメガネをするイメージがないので、ニッチすぎるのではないかと思いました。作家さんが描きたい好きなことを描くのと、読み手が理解しやすい工夫をすることは、この方に限らず必要だと思います。
櫻井 キャラのビジュアルを人間に寄せすぎていて、途中から読むとなんの漫画なのかがわからないのが難点です。メガネ屋というマイナーな舞台を選択するのならそちらに比重をおいて、キャラの数を抑えてベタな展開にしたほうがよかったのではないでしょうか。
石川 「魔力抑制眼鏡」ならではのエピソードがほとんどないので、そこを深掘りしてほしかったです。他の作品にも言えることですが、せっかく思いついた設定とストーリーがバラバラなのはもったいないです。
『最前線』はこれまでの一般的な「ウェブマガジン」と異なり、著名作家による小説、コミック作品をすべてDRMフリーで無料公開する他、Webならではの企画「最前線スペシャル」を展開するまったく新しいメディアを目指したWebサイトです。
はじめに