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テーマ おらが里「自慢」

レギュラーセレクター 曜日

北海道。この、ちょっとばかり独特な地に、佐藤友哉は生まれ落ちました。日本で最も広い割には人口が約五百五十万人と少なく、主要産業といえば観光くらいの、とても弱い大地。明治になるまで正式に日本と認められなかった、とても若い大地。ここからも解る通り、北海道はまだ過渡期にあります。時の洗礼を浴び、さらなる発展を遂げるのはこれからでしょう。とはいえ、誇れるものはいくつもあります。今回はとりわけ優れた特産品をお届けしましょう。

大泉洋

ごぞんじ北海道の綺羅星。彼が日本で最も有名なローカルタレントになろうとは、2代目元気君(黒歴史)の頃は想像もしていませんでした。『パパパパパフィー』(隔世の感を禁じ得ない)に出演したときは、北海道中が大騒ぎだったのを覚えています。96年に開始した『水曜どうでしょう』とともに、佐藤は青春時代をすごしました。作家になり、レギュラー放送が終了した02年に上京したことで青春時代は幕を閉じ、もう30歳ですが、それでも一生どうでしょうします!

日本では北海道のみ生息する、熊の中でも最大級のサイズを誇る無敵生物。こんなふうに書くとウィキペディアみたいですが、北海道と羆の関わりは深く、古くはアイヌ民族が神と結びつけ、開拓時代は多くの災厄をもたらし、現代ではマスコット的な価値を高めています。羆はその時代によって姿を変えつつ、北海道という大地に生きているのです。佐藤の夢のひとつに、「仔熊と相撲をとる」というのがあるのですが、未だ実現しておりません。熊相撲に詳しい方はいませんか?

佐藤友哉

北海道出身の小説家はたくさんいますが、佐藤友哉をセレクトします。新本格ミステリでデビューして10年。今や純文学から時代小説まで幅を広げたゆえ、観測者によってその姿が大きく違って見えることでしょう。佐藤本人としては、次の10年で波動関数を収束させ、ひとつの存在、ひとつの可能性を追求したいと計画していますが、どうなることやら。まあ、新本格ミステリの魂さえ失わなければ、美しいかたちになれるのは確実なので、何も心配していません。

佐藤友哉さん

1980年生まれ。作家。『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞し、「戦慄の19歳」としてデビュー。2005年、『1000の小説とバックベアード』で第20回三島由紀夫賞を受賞。本年『デンデラ』が映画化され、6月より公開される。愛称は「ユヤタン」。

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