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5週限定のピンチヒッターとして登板することになったわけだが、のっけから厳しい設問で大変に困る。どう見ても、感性が古びていないことを前提に設けられたまことにいやらしい質問であり、好意的解釈の余地は皆無である。そもそもこのコーナー自体、セレクターの趣味・感性が公衆の面前に晒されるようなキツいコーナーであり、自分がその一員であることを棚に上げて言うなら、星海社は全く以て酷い会社である。ともあれ、以下は僕が絶対の自信を持ってお薦めする「傑作」である。

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釣り針と聖書が代表例ですが、「人類はこれを何千年使う気なんだ?」というおそるべきツールが存在します。時の流れにも、新技術や新思想にも負けない傑作群。今回紹介する5つのアイテムは、今のところ、古びれる気配など皆無ですが、いつまで生産されるのかは誰にも解りません。あと10年かもしれない。あと100年かもしれない。でも、ひょっとしたら、あと1000年。

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読者の皆様、いつもお世話になっております。星海社アシスタントエディターの山中です。親しみを込めて“先生”と呼んで頂ければ幸いです。今回、最前線編集長・太田の代打でしばらくのあいだ登板させて頂く事になりました。短い間ですがよろしくお願いいたします。――さて、早速今週のテーマについて。未だに古くならない「傑作」といっても、「傑作」だから古くならないのでは、という向きもあり、自分で考えたテーマに早くもダメ出しを……。なので、今回は少し目線を変えて、「新たな形で現代へと継がれた傑作」を選んでみました。

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初めて出会ったときの全身を巡る血液がサイダーになったような気持ちを忘れません。炭酸が永遠に抜けないサイダーみたいに、それは今でもわたしの中にずっとあるのです。それが、古くならないってことでしょう?

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古くならないということは、生き続けているということです。化石になっていない。ただの思い出になっていない。今この時も僕の心を動かしてくれる。例えば、子どものときと大人になってからと違う読み方が出来る。そういう本、ありますね。子どもの頃も面白かったけれど、大人になって読み返して異なった大きな感動を発見する。逆に、いつ読んでも、何度読んでも、変わらない感動を与えてくれる。ズシッと動かずそこにあり続けている作品。また、作品は生まれた時から作者を離れて独自の生命を持ち始めます。たとえ作者が既に亡くなってしまっていても、時間も距離も越えて僕やさらに未来の遠くの読者の心に届き生き続けます。


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