傷ついたときはとりあえず熱いシャワーでも浴びるか、風呂にでも入ろう。だいたい、それで解消する。クナイプのバスソルトがあれば完璧なんだぜ！

傷ついたときはとりあえず部屋の明かりを消して、ビル・エヴァンスのアルバムを聴こう。だいたい、それで解消する。このアルバムはエヴァンスの公式録音のラスト・アルバムで、彼の死後に（緩慢な自殺だとしかいえない死に様だった）発表されたもの。一曲目は自殺した元妻に、四曲目は同じく自殺した兄に捧げている。しかも七曲目のサブタイトルは、「Suicide is Painless」。それでも、春が来ることを信じていたっていいじゃないか。『You Must Believe In Spring』なんだぜ！

傷ついたときはとりあえず熱いお茶を淹れよう。だいたい、それで解消する。日中なら中国茶、深夜なら紅茶がいいんじゃないかな。僕は大のお茶派で、お茶にかけては和洋中そろって目がない。そういえば、僕の台湾の妹分・リンさんのおじさんは大の中国茶マニアで、このあいだ中国本土で気に入ったお茶屋を“一軒丸ごと”買ってきたらしい。僕もいつかそういう感じでゴツい買い物をしてみたいものだ。落ち込んでいる暇なんてないんだぜ！

傷ついたときはとりあえず眠りにつこう。だいたい、それで解消する。深い眠りは疑似的な死といえなくもない。そうやって何度か死を迎えてしまえば、もう生きるしかなくなるんだぜ！

傷ついたとき、それでも……それでも傷ついたままだったら……、たっぷり携帯を充電してから、いつでも俺に電話をしてこいなんだぜ！