テーマ 死ぬまでにチャレンジしてみたい三つのこと
レギュラーセレクター 火曜日 釣巻 和さん
2011.11.08
死ぬまでに…ときたもんだ。こういった文脈で「チャレンジしたい」こと、だなんて。人生という期限は長いようで短いなあと思います。でもねわたし、死ぬまで「将来の夢」なら、ある自信があるのヨ?
シュノーケリング
これはなるべく近年叶えたい夢。わたしは泳ぐ事が出来ませんが、(25mプールをクロールしていると先生に「溺れてる!? あがっていいぞ」と言われる程度に泳げません)海へ行きたい、見ていたいと思います。竜宮城があるのだと、夢見たかつての日本人に親近感を感じています。シュノーケリングから帰って来たら浦島太郎。そんな話はきいたこともないのですが、もしあったら、ちょっと体験してみたい。わたしは、海の中を泳ぐのと、空を飛ぶのはすごく似ているなあ、と思います。
絵本のつくりかた
将来の夢は? と、そう聞いてもらえる事がなくなりました。大人になったからでしょうか。もし今でも聞いてもらえるなら、こう答えます。「絵本をつくること!」 学生の頃、授業で絵本作りの課題をだされたことがありました。絵本は文章に絵をつけたもの。そう考えました。でもそのあと、漫画と絵本の違いって何だろう? と思ってしまったのです。わたしは漫画が好きなので、どうしても文字があって、絵があると、吹き出しを作ってキャラクターにしゃべらせたくなります。文字があって絵があるのは一緒でしょ? コマが割ってあるかどうか? でもコマが割ってあっても「絵本」として売られているものもあるよ。「じゃあ、絵本の定義って何だろう?」と先生が言いました。わたしは答えられませんでした。先生は答えを知っていたのかな。わたしは、今、わたしなりの答えしか出ませんでしたが、それは「子供のためのもの」ということでした。
おれがあいつであいつがおれで山中 恒
小学生の頃読んだ本ですが、当時、わー!! となりました。もしも、もしも、男女の体とこころが入れ替わったら? というはなし。高校時代を女子校で過ごし大学生になったわたしにとって、中学生までまともに話も出来なかった男子が、大学生になったとたんに「ヒト」になっていることにものすごく衝撃を受けました。男子とのふれあいの全くなかった高校三年間、いったい君らになにがあったの!? ってかんじで。いまでもしょっちゅう、男の子って何考えてるのかわからんなあ…と思います。とても繊細な、乙女のような男の子が、突然核心に迫ると男子っぽいことを言うし。わからない! わからないけど、わからないほど捉えてみたい、男の子というものを描けたらいいなあと憧れます。お互いのこころが、入れ替わったら、なんか、わかるんだろうか。
釣巻 和さん
87年生まれ。漫画家。代表作に『童話迷宮』『くおんの森』『水面座高校文化祭』などがある。2010年11月に坂本真綾の満月朗読館・第三夜『ベッドタイム・ストーリー』(著・乙一)にイラストを寄せ、その繊細な絵筆によって多くの視聴者を魅了した。
本文はここまでです。