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テーマ My Best Soundtrack

レギュラーセレクター 曜日

どもども、森田です。一応、音楽は幅広く聞いているつもりなのですが、たぶん、なんだかんだでけっこう偏っていると思います。音楽との接し方もこの十五年ほどでだいぶ変わりました。中学生の頃は昼寝の時によく使用、高校生から大学生にかけては勉強時にBGMとして、最近は独り暮らしで音がないので、とりあえずヘッドフォンをつけて、だだ流し……という感じです。音楽を聞ける環境は向上しているのに、新しい曲の開拓が滞っているので、そろそろ本腰入れて、またいろんな曲を探していこうかと思っております。もし、将来何かの間違いで五億ぐらいの金が入ったら、デビュー作の作中で出したバンドを実在のものにさせたい……(悪質な中二病)。

darker than darkness -style93-BUCK-TICK

一トラック目から禍々しく幕を開ける大傑作アルバム。まったく聞いたことがないという方は、ぜひ一度ご試聴を。このアルバムがオリコントップ10の上のほうだったということは、絶対信じられないと思います。自分も最初に聞いた時はどこがサビなのかわからない……と混乱しました。でも、異様にマニアックな曲ばかりなのに、すぐにまた聞きたくなる。気持ち悪いのに、気持ちいい! そんな奇妙な中毒性のある一枚です。まさに、闇よりも深いところに落ちて、そしてまたキラメキの中に帰りたくなるとでも言いましょうか。

80*60=98CASCADE

ふざけてるように見えて実は真面目なのが一番かっこよく見える、そんな表現がしっくり来る名盤。こんなのチョイスするのか? と思う人がいるかもしれないけれど、そういう人にこそ、聞いていただきたいアルバムです。とくにアルバム名にもなっている「80*60=98」の絶唱はヤバイです。五トラック目や六トラック目も、心にちくちく来るメロディラインで、けっこう泣きそうになります。このアルバムにめぐり合った時、自分だけの秘密基地を手に入れたような、すごく得した気分になりました。

chicken zombiesTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT

当時、ラジオで「バードメン」と「ゲット・アップ・ルーシー」を知った森田は、このアルバムを買いに走りました――ということはなくて、高校生になってから買ったのですが……。そして、「ブギー」という曲に出会い、猛烈に泣きました。この曲を聞くたびに、自分が荒野のただなかに一人取り残されているというイメージが何度も頭に浮かび、うちひしがれます。しばらく無気力になってしまい、作業効率が極端に落ちるので、かなり問題があるのですが、それでもまた聞いてしまう……。

森田季節さん

84年生まれ。作家。2008年、『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』(MF文庫J)でデビュー。他の作品に『ともだち同盟』(角川書店)、『不動カリンは一切動ぜず』(ハヤカワ文庫JA)、『お前のご奉仕はその程度か?』(GA文庫)などがある。今最も注目される新鋭の一人。書き下ろし新作『エトランゼのすべて』は星海社FICTIONSより好評発売中。

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