ツイ4 『第53回 ツイ4新人賞座談会』 #0011

『第53回 ツイ4新人賞座談会』

独自の感性を活かした個性的な作品多数!!

ツイ4新人賞とは?

はじめに

片倉 第53回ツイ4新人賞座談会を始めます! 今回の投稿数は12作品でした。

岡村 前回に続き、多数のご投稿ありがとうございます!

作品No.1 ヤドカリ男子 てびフライ

ヤドカリ男子

岡村 引き続きご投稿くださりありがとうございます。やっぱり画力高いですね。特に、最終ページの料理の絵は本当にうまい。この作品については、10話で何を描くか、というのがもっとハッキリしていると読み手もより興味を持ちやすくなると思います。

本当に絵が上手です。序盤で登場した兄弟が後半でいなくなってしまうのは、作劇的にまずいです。この物語の流れだと、兄弟いなくてもお話が成立するので。

太田 展開がブレてしまっているのがもったいないですね。登場人物も多く、話の焦点が見えてこないです。ツイ4への投稿は「10話」制限の中での才能と作品のプレゼンなんだということをもう一度しっかり考えてください。

作品No.2 猫と深淵と暇人 もちこ

猫と深淵と暇人

岡村 絵柄はすっきりしていて好きです。単純にもったいないのがフキダシとセリフが小さくて、それだけで読みにくくなっています。「人と変わった猫」の作品はたくさんあるので、「人と変わった猫」の話を通して何を伝えたいのかをしっかり考えた方がいいです。

太田 フキダシのバランスは僕も気になりました。せっかくネームの分量自体はシンプルにできているのに、これではもったいないです。

櫻井 カメラが全体的に遠いので、もっとキャラに近づくようなコマがあってもいいと思いました。

丸茂 描かれたいものをしっかり描けているという印象です。10話でまとめられたストーリーとして読み心地がいい。けれども、もっとインパクトがほしいです。

作品No.3 おたすけプリン隊 オイユウタ

おたすけプリン隊

ペンネームは変わってますが、第1回目に投稿してくださった方ですよね?

太田 好みは分かれるとは思いますが、ちょっと癖になる絵柄で、僕は好きです!

丸茂 チョコの腹筋、勢いで笑いました! 「おでんくん」のような路線を目指したいのでしょうが、今それで果たしてヒットするのか、ちょっと僕は疑問です。キャラクターのかわいさが全てだと思うのですが、残念ながらぼくの趣味とは合わなかった。

『小学8年生』などに載っていても違和感ない完成度です。ただ、ツイ4の読者層は18〜24歳くらいなので、ネタがやや幼い印象を受けます。

櫻井 それぞれのスイーツの特徴をよく捉えたギャグに才能を感じます。今ならタピオカをイジるとか、社会を風刺するような視点があると良いのではないでしょうか?

片倉 10本のギャグ作品として読むと面白いのですが、この雰囲気だけで勝負するとそのうち読者が食傷してしまうので、何かストーリー展開もほしいですね。

岡村 絵柄やセリフが視覚的に読みやすいのはgoodです。 僕も「シックスパック」のところは何故か笑いました。スイーツの擬人化は斬新ですが、新しいゆえにいきなり読み手が共感を持つのは難しいので、せめてキャラクターに強い動機や目的を与えるなど、興味を持たせる工夫は必須だと思います。

作品No.4 八百万お八つ時 すらいにむ

八百万お八つ時

丸茂 絵柄は好きです、優しい感じで味がある。けれど神様の設定をもう少し詰める必要があると思います。ゆるーいお茶の話では続けるのが難しいような。

片倉 柔らかいタッチの絵柄が、作品の和風テイストと合っていていいと思いました。

ワンシーンの会話に2、3ページも使ってしまうのはNGです! ツイ4は基本1日1ページなので、会話が複数ページにまたがると退屈に感じてしまいます。1話完結でどんどん場面展開させていきましょう。

櫻井 主線が太くて、スマホの画面で見やすいように工夫されているのが素晴らしいです。ストーリーにもっと斬新さがほしいですね。

岡村 ほんわかとして癒される絵柄と作風ですね。これは座談会で他の人にも何回か言っていますが、妖怪や神様がやってくる作品は先行作品がたくさんある激戦区なので、後発作品ならではの「売り」をかなりしっかり考えないと埋もれてしまいます。この癒しの作風を活かしてどういう「売り」のある作品を作るのか、ということに時間をかけた方が良いと思います。

作品No.5 触手と少女 尾留川貴

触手と少女

片倉 1ページ目は、ディストピアものの世界観を提示しつつ読者の興味を惹くフックもあり、という感じで良いと思います。

丸茂 僕はそういう性癖はないのですが(強調)、触手と少女はアリだと思います。根強いネタなので。

太田 僕はないなぁ〜

丸茂 ここから世界が滅ぶんですよ! 女の子がもっとかわいかったらなぁ。

どうせなら『寄生獣』のミギーくらい、触手のキャラも立ててあげてほしいです!

岡村 人と人外キャラクターの絆は全然アリだと思うのですが、1本1本でオトしたり笑わせたりするのではなく、完全に続けて読む前提で作られている話なのが、ツイ4には合っていない印象です。

櫻井 この方、絵やコマ割りはすごく上手になっているのですが、徐々に4コマではなくなってしまっているんですよね……。過去の座談会などを参考に、ツイ4に合わせた構成を研究してもらえると、また一段上にいけるのではないかと思います。

作品No.6 今日も小悪魔ちゃんは ふじこ

今日も小悪魔ちゃんは

目の描き分けがお見事です! なかなかできないことですし、4コマに向いている画風だと思います。ただし、ストーリーが画力に追いついていないと感じます。もっとシンプルにしましょう。あと、女子高生になると悪魔と天使だということが分からないのはもったいないです。

片倉 天使や悪魔が現代社会に転生する、という話は割とありがちなので、今やるなら何か新しい工夫がほしいですね……。

岡村 小悪魔ちゃんの絵柄やキャラデザは好きです。キャラも基本的に2人に絞り、対比して登場させているのも良いと思います。ただそれでも読んだ感想で悩んでしまうのは、読んだ後に読者にどんな感情を持ってほしいのか、というイメージが足りていないのだと思います。

櫻井 おそらく描きたい小ネタがストーリーよりも先行してしまっているせいだと思いますが、途中「何の話だっけ?」と思ってしまいました。絵はかわいく描けているので、主人公キャラの行動原理をしっかり打ち出す構成にできると良いのではないでしょうか。

作品No.7 リア充ネズミ化しろ! てびフライ

リア充ネズミ化しろ!

丸茂 ネズミへの変身はちょっと飲み込めないところでした。恋愛禁止の世界、だけでお話が作れたと思うんですよ。

今回も2作品いただきましたが、私は前回と同じ印象です。ギャグ系よりもほのぼの・感動系の作品を目指した方が良いと感じました。

太田 同感です。ただ、この人に僕は枠の中から突き抜けないもどかしい何かを感じていて、それが今後の作品でもネックになってくると思っています。ちょっといい話、はたとえバズッたとしても商品にはならないです。他人を感動させようと思うなら、涙を一リットル流させる気持ちで描いてほしい。

岡村 生産力があるのは素晴らしいです。ただマンガはキャラクターが大事なので、お話や設定よりも先に、キャラクターと、そのキャラの言動を読者が見てどう思ってほしいのか、というのを今以上に真剣に考えてみた方が良いのではないかと思います。

作品No.8 放課後SQUARE ヘス

放課後SQUARE

丸茂 画力の向上が必要なことはきっとご自覚があるでしょう。ガールズバンドものは、むしろ王道を行くべきだと思います。この作品は意図的だとしてもズレが多すぎる。

すいません……バンド知識がなく、一部ネタがわかりませんでした! でも勢いの良さは伝わりました! 背景がなくても物足りなさを感じさせない勢い、この点はずば抜けています!

岡村 音楽のことに詳しくないので、導入部分は正直よくわからなかったです。女の子のかけあいと勢いがあるところはgoodです。画力は頑張ってたくさん練習しましょう。

櫻井 キャラも知識も詰め込み過ぎな印象です。まずはキャラと状況がしっかり伝わるように心がけてください!

作品No.9 バカがバレる 猪去バンセ

バカがバレる

岡村 深いな……。

丸茂 この方、以前も投稿していただきましたが、女の子のキャラデザもいいですね。ただ前回よりストーリーの面白みがわかりにくかった点はマイナスかと。

何が飛び出すかわからないワクワク感があります……ただ、面白さには繫がっていないかと……。

片倉 1ページ目の謎かけがストーリーの本筋からズレていて、導入の役割を果たしていないので読みづらさを感じてしまいました。まず最初に主題を提示しましょう。

櫻井 好き嫌いは分かれそうですが、癖になるテンポ感だと思います。私は好きです!!

作品No.10 恋愛一歩手前。 だんな

恋愛一歩手前。

丸茂 この作品、好きでした、女の子がぴゅあっぴゅあで読みやすい。ただ、この作品もひとつひとつのオチが弱く、ストーリーマンガを4コマで描いてる感がありますね。

片倉 絵が綺麗ですね。クローズアップした女の子の表情、特に好きです。

ヒロインの陰キャ設定、自称よりも他称で説明した方が効果的です。

岡村 今回の投稿作の中では、最もオーソドックスで良い作品だと思います。キャラも絞って、主役キャラを応援したくなるようなつくりにもなっています。逆に言うとオーソドックスということはたくさんあるということなので、オーソドックスなものに何を掛け合わせて差別化するか、という作品の「売り」をもっと考えてみる必要があります。

作品No.11 ポーカーガール ひつお

ポーカーガール

櫻井 説明的なテキストが多いのがネックですね……。ぶっ飛んでるお兄さんがいいキャラなので、そこをもっと押し出して、ゲームの展開は極限までシンプルに落とし込めたら良かったと思います。

片倉 今のままだと登場人物がポーカーを説明するための道具にしかなっていないので、漫画ならではの面白さを追求してみてください!

岡村 ミツキの兄はどこか好きです。ただ、これはポーカーのことを描いているマンガなのですが、重要なのはポーカーを読者に理解させることではなく、ポーカーという題材を使って、キャラクターにどういう言動をさせてキャラを立たせるか、なんですよね。極端なことを言うと、ポーカーのことはよくわからなくてもキャラクターは面白い、となっていないといけません。

『咲 Saki』『ヒカルの碁』『アカギ』……どれも、ゲームのルールがわかっていなくてもそれなりに面白い。キャラクターや演出で引っ張る技術を研究しましょう。

作品No.12 母はつよし すずきたかし

母はつよし

丸茂 おじいちゃん先生、聖人かよ……。主人公が元不良という説明は不要かと。金髪時代の彼と木戸くんが同じ人だと、一瞬混乱しました。

片倉 主人公がまわりの人に手伝ってもらいながら学校で育児する、というストーリーがどのページを見てもわかるのはいい点だと思います。

作画のレベルが高く、設定も捻りがあって素晴らしい! 主人公の冷静さと育児のギャップがキモだと思うのですが、そこが弱いです。現状、モブがボケて主人公が冷静すぎるので、主人公の影が薄くなっているのも気になりました。

櫻井 (元)不良×子供は鉄板でいいですね! ただ、ギャグで笑わせるにはもっとギャップを強化したほうがいいと思います。『極主夫道』が参考になるかと。

おわりに

片倉 今回は個性的な作品多数で、読みごたえがありました。

岡村 ただ数が増えただけでなく、ユニークな作品が多いのは嬉しいですね。常連さんもご新規の方も、次の作品お待ちしてます!