ツイ4 星海社編集部『第2回 ツイ4新人賞座談会』 #c002

『第2回 ツイ4新人賞座談会』

第2回ツイ4座談会、公開!

おわりに

岡村 これで全作品の講評が終わりましたが、全体を通して、皆さんいかがでしたか?

太田 痛感したのは、アマチュアの人は自分でアイディアに没が出せないからこそアマチュアなんだということですね。それは、実はプロでも難しい......というか、プロレベルではそれがさらに難しくなるからこそ、編集者が必要になるんです。この「ツイ4新人賞」では、投稿する10本の4コマで漫画家としての現時点でのフルパワーとポテンシャルを見せつけないといけないわけだから、もっと厳しくネタの取捨選択をしないとだめです。

石川 10本に1本おもしろい作品が描けるとしたら、100本描いた中から傑作10本を送ってきてくださいってことですね。

岡村 投稿の段階では、いくらでも編集を「騙す」ことはできます。

太田 「ツイ4新人賞」は、いわば10本で作品と才能をみせるプレゼンなんですよね。1本1本の4コマで落ちると同時に、10本でワンストーリーとして完結させて落とすべきですね。

ほかで気になったことは、オムニバス作品の投稿が多かったことです。1作1作はおもしろくても、10作品に関連がなくて作品全体が散漫になってもったいないです。

平林 何でもありなようでいて、繋がりがないとだめなんだよね。255さんもよく見るとうまくネタを絞ってる。

そういった機微がわからず、「オムニバス楽そう」と思ってる人が多いのではないでしょうか。ベタですけど学園という縛りのオムニバスにするとか、なにかしらテーマを限定する必要があると思いました。

岡村 オムニバスは作家さんのセンスがモロに出るから、本当にハードル高いよ。

平林 あと本当にデビューしたいのであれば「今のツイ4だったらこの枠空いてるな」とか戦略的になったほうがいい。

今井 今回強いていうならば、 『かおる高校職員室』が「職業もの」として『ツイ4』の隙をついてましたね。あと「動物もの」で『家庭科のリス先生』くらい?

太田 「日常エッセイもの」もないよね。デビューしようと思ったら戦略は必要だよ!

今井 そうそう! 「職業もの」と言えば......8月から、新連載がはじまります! 新人漫画家六反りょうさんの連載デビュー作、『アフター5の女王たち』です! ご本人から予告4コマが届いておりますので、ご覧ください。

「職業もの」とは言いましたけど、まさかSMで来るとは......。めっちゃおもしろそう!

太田 いやー、りょうさんはすばらしい才能の持ち主ですよ。今井さんから「新人なんですけど、この方に声かけていいですか?」と連絡をもらったときは、「それでは新人賞に応募してください」と伝えるつもりだったのですが......。この方にそれを言うのは失礼にあたるとすぐに判断しました。即連載デビュー決定です。まぎれもない大器ですよ。

今井 太田さん、はじめての打ち合わせのあと10回ぐらい、「今井さん、ありがとう! すばらしい才能を連れてきてくれてありがとう!」って言ってましたもんね(笑)。

岡村 ご期待くださいませ!