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テーマ つぎに「引っ越し」したときにこれだけは買う

レギュラーセレクター 曜日

引っ越しはおろか、ちょっとした買い物をするときも、「これ買っていいですか?」と嫁さんに確認しなければならない身分ゆえ、今回のお題を書いているとき、とても切なかったです。『最前線セレクションズ』の読者に既婚男性がどれくらいいるのかは不明ですが、ちょっとお付き合いください。一緒に飲もうじゃないの。

ドラム式洗濯機(画像はイメージです)

やっぱり男としては、ドラム式洗濯機を1度は使いたいじゃないですか。洗濯機のことなんて何も知らないけど、何かこう、見た目がカッコいいから! ということで嫁さんに買ってもいいか聞いてみたのですが、「洗濯機はもうあるでしょ」と、すげない一言。まあ、そう云われたら返す言葉はありませんよ。洗濯機は確かにあるんだもの。でも、そうだとしても欲しいじゃないですか。だってほら……何かこう、見た目がカッコいいから!

プロジェクター(画像はイメージです)

「家に壁があるならプロジェクターを買えばいいじゃない」と、ルイ16世の嫁さんが云っていたので、我が家の嫁さんに買ってもいいか聞いてみたのですが、「映画を観ないでしょ」と、すげない一言。確かに佐藤が生涯で観た映画の本数は10本ちょいしかありません。「映画館で好きなことベスト3」の第3位は「ポップコーンを食べる」で、第2位は「ビールを飲む」で、第1位は「予告編」です。だとしても欲しいじゃないの。だって、何かこう、見た目がカッコいいから!

エスプレッソマシン(画像はイメージです)

「ツヤツヤして、ピカピカして、何か巨大なもの」が幼い頃から大好きな佐藤は、大人になったらモビルスーツかエスプレッソマシンを買おうと決めていました。Amazonで検索した結果、前者が登録されていないので後者の購入を決意し、嫁さんに買ってもいいか聞いてみたのですが、「ネスカフェがあるでしょ」と、すげない一言。そりゃ、ポスト「違いのわかる男」の佐藤は、ネスカフェの旨味を理解していますよ。でも欲しいじゃないエスプレッソマシン。だって、何かこう、見た目がカッコいいから!(今回はコレで押し通すつもりか?)

ラウンジチェア(画像はイメージです)

「30年間生きて未だに買っていないものは何か?」ということが急に気になり、リストアップしたことがあります。バイク。ネクタイピン。芝刈り機。犬小屋。その次に挙がったのが、このラウンジチェアでした。やはり作家のステータスとして家に1脚はあった方がいい。しかも我が家には作家が2人もいるんだからと思い、嫁さんに買ってもいいか聞いてみたのですが……ここから先は全部同じ文章なので以下略。その5を書いても同じなので以下略。今週はここまで。(勝者の笑顔で)いや〜〜既婚者はつらいわー!

佐藤友哉さん

1980年生まれ。作家。『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞し、「戦慄の19歳」としてデビュー。2005年、『1000の小説とバックベアード』で第20回三島由紀夫賞を受賞。本年『デンデラ』が映画化され、6月より公開される。愛称は「ユヤタン」。

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