テーマ この「パッケージ」だけは開けられない
過去のレギュラーセレクター 平林緑萌
2011.09.16
貧乏性というか単なる貧乏というか、買ったものは全て開封して念入りに楽しむ質なので、開けられないパッケージというのが基本的にないのである。なので、できるだけ近いものについて書くことでご容赦願いたい。
エクセレントモデル ソシエ・ハイム
僕が最も愛する二次元のキャラクターが『∀ガンダム』のヒロイン(の一人)、ソシエ・ハイムである。彼女は作品の中では結構損な役回りで、そこがまた愛おしいのだが、僕に人生初のフィギュアを買わせた罪な女でもある。Amazonから届いた日、ドキドキしながら開封して本棚に並べ、写真を撮って元に戻した。あまり長時間愛でていると頭がどうにかなってしまうように思ったからである。なお、二番目に好きなのは『モンキーターン』の青島優子。買うのでフィギュア化してください。お願いします。
一橋ゆりえ
もう一つフィギュアを。『かみちゅ!』の主人公、一橋ゆりえ様である。これを買った頃、僕の部屋にはいくつかのフィギュアが並んでおり、買うことにはそこまで抵抗を感じなくなっていたものの、ゆりえ様は中学生である。神様とはいえ中学生であるから、流石に本棚に並べるのはいかがなものかと思った。しかし、ゆりえ様は神様である。というわけで、ご神体として押し入れの奥深くにしまい込み、外から拝むことで折り合いを付けた。それから2回引っ越したが、変わらず押し入れの中にあります。
時をかける少女 限定版DVD和田守
DVDを買う習慣が殆どないので、そんなに沢山持っていないし、「欲しい!」と思うことも滅多にないのだが、これだけは限定版を買った。ディスク3枚組でハンドブック・ストラップ・フィルムブックマークまでついている愛蔵版仕様。普通好きな作品は何度も観るのだが、これだけはあの時の感動を大事に取っておきたくてしまったままだ。以前は中にへそくりを隠したりもしていた。大事なものは大事なところにしまうのです。
生八つ橋
開けられないというか、「開けたら最後」である。いったい我が家の家訓は「甘いは旨い」なのだが、とにかく甘いものに目がないのである。特に和菓子はいけない。洋菓子よりも胸焼けしにくいせいか、次々に食べてしまう。学生時代の話だが、帰省に際して京都駅で生八つ橋を買い、近鉄電車に乗ったと思ったら、車窓を流れる景色を見ながら無意識に封を開けていたことがある。橿原神宮前駅に着くまでに全部食べました。
らくだこぶ書房 21世紀古書目録クラフト・エヴィング商會
素敵な架空の古書目録。『茶柱』にはじまり、『73横分けの修辞学』『魂の剥製に関する手稿』『羊典』などなど、挙げられている本がいちいち素敵で、しかも一冊一冊ダミーを作っているので写真もとても楽しい。全部欲しくなってしまう罪作りな本である。クラフト・エヴィング商會の本は装丁・造本が本当に素晴らしいので特に注意しながら触ることにしているのだが、その中で何故この本を特別に挙げるのかと言えば、プレゼントとして貰ったものだからである。女の子から貰ったんですよ、ウフフフフフ……。
平林緑萌
星海社エディター。1982年奈良県生まれ。
立命館大学大学院文学研究科博士前期課程修了。書店勤務・版元営業を経て編集者に。2010年、星海社に合流。歴史と古典に学ぶ保守派。趣味は釣りと料理。忙しいと釣りに行けないので、深夜に寂しく包丁を研いでいる。
本文はここまでです。