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テーマ この「パッケージ」だけは開けられない

レギュラーセレクター 曜日

ついに恐れていた事態が起こった。ない。「ない」のです。佐藤もかつては熱心な蒐集家で、何でも巣に持ち帰るハムスターの如く、いくつものアイテムをコレクションしていました。しかし、10年20年と集め続けたある日、ドッカ──ンとなってしまい、たんまり集めたアイテムをガシガシ捨てまして、それ以来、どんなに貴重なものでも平気の平左で使えるようになったのです。というわけで、今回はありません……みたいに終わらせるわけにはいかないので、かつての佐藤が蒐集していたアイテムを3つほど紹介して、お茶を濁すとします。

『魔法陣グルグル』関連のグッズ

どういうわけかある期間、『魔法陣グルグル』に魂を奪われていまして、手に入るだけのアイテムを集めまくっていました。単行本。ゲーム。CD。雑誌の付録。果ては新聞の番組欄から綿アメの袋まで、それはもう必死になって躍起になって集めましたよ(自分で書いて吃驚した。綿アメの袋って、どういうことなの……)。もちろん作品も大好きで、未だにククリ様とジュジュ様のどっちを選べばいいのか悩んでいます。

CDの付属物(画像はイメージです)

実はCDにはいろいろなものが付属しています。ライナーノーツ。ブックレット。特典ステッカー。帯。ライブのお知らせ用紙……などなど。試しに、このすべてを捨てずに保存してみてごらんなさい。ガッサガサになりますよ。付属物を集めに集め、ついにはCD本体が見つけられなくなる始末。末期症状の時は、CDが欲しいのか付属物が欲しいのかも解らなくなりました。今は音楽をデータで購入できるので、本当に楽ですよ。心が。

面子(画像はイメージです)

「いつの時代の話だよ!」と突っ込まれそうですが、ベイブレードを持ち出すまでもなく子供の玩具はサイクルするもので、佐藤が小学生の時、男子たちの中で大流行していました。とはいえ所詮は昭和五十五年生まれ。面子の正しい遊び方を知る者はおらず、ふわふわっとした曖昧なルールを急ごしらえで作って遊んでいました。ピーク時は100枚くらい手に入れた面子、今はもう1枚も残っていません。ああいうのって、どこに消えてしまうのでしょう。

佐藤友哉さん

1980年生まれ。作家。『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞し、「戦慄の19歳」としてデビュー。2005年、『1000の小説とバックベアード』で第20回三島由紀夫賞を受賞。本年『デンデラ』が映画化され、6月より公開される。愛称は「ユヤタン」。

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