テーマ 再販希望!
レギュラーセレクター 木曜日 佐藤友哉さん
2011.12.15
もう二度と手に入らないとあきらめていたものが、改良も改悪もなく、当時のままの姿で再発売される。このような僥倖は、ほとんどお目にかかることはない。だいたいが余計な装飾をつけたり、法外な値段で限定販売したりと、購入者をげんなりさせる。一度きりは、一度きりだけ。そんなのは、当たり前。だからこそ、迷わず買おう。物欲に支配された僕たちは、いつだって後悔しながらものを買い、失い、そしてまた買いつづける。
パラサイト・イヴ(ラジオドラマ版)
TBSラジオで放送されていたラジオドラマを全話収録したものです。本を読まなかった中学時代の佐藤はここから原作本に入り、そしてよりディープな小説の世界にのめりこんでいくのでした。このラジオドラマでは、丹下桜さんがメインキャラの1人を演じていまして、その子が苦しむたびに、「ああああっ」「うっぁああぁ〜〜」と、色っぽくうめきまして、これが読書のきっかけ(笑)。ほなな〜。地獄で待ってる!
初期のiPod(画像は最新モデル)Apple
懐古厨の誹りを受けてもかまわない。だって30歳はおっさんだもん。懐かしのホイールをぐりぐり回して選曲したいもん! タッチは便利だけど、アップルが信仰する行動パターンこと「直感的」により近いのは、やはりホイールだからね……え? iPod classicがあるって? あれはデザインが納得いかない。「そうじゃない! そうじゃないんだよ!」と。
パルソマティックハミルトン
世界初のLED式ウォッチであるパルサーが、40年ぶりに復活。しかも今回は、デジタル表示なのに自動巻きという、なんだか知らんがとにかくすごいシステムを搭載して。佐藤は時計については素人ですが、パルサーが昔から好きでした。90年代にイルクジモデルとともに流行ったスプーンを思い出して、苦笑しながらも懐かしさに負けちゃう。今の若者たちも、10年後にデカ厚ブームを思い返して苦笑するのかな。
佐藤友哉さん
1980年生まれ。作家。『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞し、「戦慄の19歳」としてデビュー。2005年、『1000の小説とバックベアード』で第20回三島由紀夫賞を受賞。本年『デンデラ』が映画化され、6月より公開される。愛称は「ユヤタン」。
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