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テーマ 最高に“怖い”話

レギュラーセレクター 曜日

今回のテーマは怖い話? や、やめてよ……。今は夜中の3時で、家は当然静まりかえり、佐藤は1人、ちまちまと書斎でこの文章を書いています。こうなったら白状するけど、怖い話、すんごい苦手なの。よーし。怖いからtwitterいじりながら原稿を書くぞ(笑)。なう(笑)。ぎゃ〜〜フォロワーさんのアイコンに、めっちゃ怖いのあった! うー気分転換に音楽でも聞こう……ぎゃああーまちがって『エクソシスト』のサントラかけちゃったあああ! え? 青くない方だよ!

怪談ラフカディオ・ハーン ヤン・シュヴァンクマイエル

小泉八雲の名作を、今やなんと紹介すればいいのか解らないチェコの映像作家、ヤン・シュヴァンクマイエルが版画とコラージュをもちいて異次元の果てに放り投げた怪作です。日本人なら誰もが知っている『耳なし芳一のはなし』や『むじな』が、シュヴァンクマイエルによるたった1枚の挿絵によって、誰も知らない風景に一変しているのです。原画が見たくて原宿まで行ってきましたよ。まさかラフォーレ原宿に足を運ぶことになるとは思わなかった(笑)。

「少年A」14歳の肖像髙山文彦

前著『地獄の季節』をオススメしたかったのですが、Amazonでは中古本しか買えなかったのでこちらをチョイス。酒鬼薔薇聖斗なる14歳の少年が起こしたいくつかの犯罪は、今やすっかり忘れ去られています。西暦何年の事件なのか、どれだけの被害者が出たのか、すっと云える人はどれだけいるでしょうか。そして、このように事件自体は忘れられても、表現の自主規制はつづきます。いまだに子供向け番組では、敵の首を切断できないと聞きます。

新耳袋第四夜(単行本版)木原浩勝 中山市朗

あまりにも有名なので、怪談に興味はなくともタイトルは知っているという方も多いでしょう。第四夜で語られるのは……そう、「山の牧場」です。このエピソードを予備知識なしに読み終えたときの恐怖、今も覚えています。当時、高校生だった佐藤は、1人でおやつを食べながら読み終えたのですが、正直、割と平気でした。でもねぇ、やっちゃったんだよ。本のカバーを外してしまったんだよ……。

佐藤友哉さん

1980年生まれ。作家。『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞し、「戦慄の19歳」としてデビュー。2005年、『1000の小説とバックベアード』で第20回三島由紀夫賞を受賞。本年『デンデラ』が映画化され、6月より公開される。愛称は「ユヤタン」。

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