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テーマ 夏の終わりに聴きたい音楽

ゲストセレクター 2011年09月

真夏の、体中が痺れる程の蝉時雨をひたすら浴びるのも好きだけど、最も美しいと思うのは、蜩の声が美しく反響する中街が橙色に染まっていく、夏の果て。この時期はつまり、秋の始まり。肌を撫でる風が心地よく冷え始め、空が高く、澄んでくる。景色と空気の変化にどきどきしながらその瞬間を共にしたい音楽を、普段持ち歩いている曲の中から選んでみました。

群青スピッツ

青空、と言われると夏の空を連想するけど、群青、と言われると、秋の空を連想してしまう。群青、という色は微妙に赤みが入った寂しい青色なので、秋澄む頃にとっても似合うと思うのです。この曲を聴きながら、潔く、爽やかに、夏にサヨナラして、秋を迎えたい。

若者のすべてフジファブリック

夏の終わりは、祭りの後のような名残惜しさと、何かを失ってしまったようなふとした寂しさに触れる瞬間が多い。そんな気持ちに浸りつつも払拭したいとき、帰りの電車の中で聴く曲。電車の窓から単調に流れる夜の景色を追うわけでもなく目に映しながら。

星の降るような夜にエレファントカシマシ

夏が過ぎれば秋がやってくる。今日が終われば明日が来るし、日常はぐるぐる繰り返される。そんな日々の繰り返しと当然のように続く季節の移ろいに嫌気が差したときに、選んで聴く曲。晩夏の重く、鬱陶しい星夜に良く似合う。この曲を聴くと、迎え来るものに向かって、テクテク歩きたくなる。


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