作者が『もう描かない』とどこかで書いていたので諦めているけど、完結して欲しい。中学生の時読んで、ブリアレオスがビルから飛び降り着地する時の、動きと構図と『ズシュン』という擬音を見た時、自分の脳内でその音や空気の震えが現実のように再生され、身震いがしたのを憶えています。当時僕がまだ『AKIRA』を読んでいなかったのもあるけど、この作品には『これは新しい何かだ！』という驚きや期待が詰まっていました。

高校生の時、１〜50巻のセットを古本屋で買って、３巻で挫折。なのでまあ完結しなくてもいいのですが。１、２巻は全編ツッコミどころ満載で面白かったです。うろ覚えですが、宇宙人の超テクノロジーで砂漠に半球型のバリアを張って砲撃を防いだと思ったら、音がうるさくて死にそうになったり、穴掘ってあっさり侵入されたり（ホントに半球なのかよ！）出てきた日本人の名前が『カクタ・タコ』だったり（タコって……）。

なんか、これを書かせるための出題のような気もしますが………。僕が高校の頃、1巻を弟が買ってきて、当時の僕はこういう、線の細い細密な絵が苦手で、読まずにいたのですが、数年後腰を据えて読んでみて、スケールのでかさに腰を抜かしました。世界観も物語もデザインもファッションも人物造形も、ここまで誰にも真似できない世界だと、何というか代替物が全くないので、ファンは待つしかないのです。

まさか………半荘6回の麻雀に10年かかるとは………。しかもまだ終わってないし。僕が福本漫画を読み始めたのはほんの数年前で、コンビニ売りの安い総集編で何となく読んではまったので、それほど待たされている感じはないのですが、リアルタイムで読んできた人はつらいでしょうね。鷲巣編の後もまだ続くらしいですが……。せめて鷲巣戦だけでもきちっと完結させて欲しいです。

そういえば暗黒館以来全く調べてないけど、今どうなって………とAmazonで検索してびっくり！！　『びっくり館の殺人』というのが出ていました。僕は暗黒館が、あまりに長く、うまく物語に乗れなかったのですが、完結して欲しいです。どの作品にも大なり小なりある、記憶や『自分』という主体があやふやになり、霧に包まれていくような空気感が好きです。