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テーマ この「パッケージ」だけは開けられない

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個人的に、「パッケージは開けるためにある」派なので、まず「開けられない」感覚がないです。閉まっているものを、開けるのが大好きです。(壊したいに似ている)だからあんまり開けないことってないんですが…きれいなお菓子と、人からもらったものだけはちょっと特別。

お干菓子 十五夜(月うさぎ)花月堂

幾度か人からいただいたものに、お干菓子があります。大抵の場合はもりもりといただくのですが……。こういう四角いハコに風景を描くようにされてしまうと、開けられない…。だって世界なんだー。ひとつ、物語がこの四角に生まれてるんだー。そうなるとこれをずっと置いておきたくなってしまう。だから、開けられないのです。そして、それは口に入れても美味であろうなあと考えるのも好きなのです。

マトリョーシカPowerShovel

開けられないっていうか、開けても開けても開けなきゃいけないこれの先に一体なにが入っているのかと思ったら…最後は、開かないんですもん。ずるい。だから一生開けられない。マトリョーシカの、中心にあるものは永遠にわからないまま。それとも開けるという行為自体が中身なのでしょうか?開けることが中身?じゃあ中身はいつだって外側にあるってことかしら?マトリョーシカを見ていて、わたしがいつも思い出すのは、何故だか、赤瀬川原平氏の「宇宙の缶詰」なんです。

目玉おやじ妖怪キャンディ イチゴ味UNI

開けられない!…と思いつつほんとは開けてます。(ごめんなさい)でもこれ、最後の一個は絶対開けられない。どうしても飾ってしまいたくなります。或いは、これで鬼太郎ごっこをしたいから、一個は絶対開けません。もちろん一人二役で。\おい鬼太郎/\はい父さん/みたいなかんじで。このキャンデーを食べてる子とは友達になれる気がします。

香ばしいヘーゼルナッツのチョコレートスプレッド ヌテラ

おいしいよ…これはね、とってもおいしーよ。甘いものが好きな人にはたまらん、というボトルです。ただ、それ故に開けられぬ…。何故かって?そりゃあなた、これを一度開けたら最後…毎日食べ続けてしまうという呪いにかかるからじゃよォォォ!この呪いは、海外の方では大人にも有効でのぉ…わしの知り合いの外国人のおっちゃんも然り…トーストにべったりとつけて食すという呪いにかかっておったんじゃよ…。どうなるかって…?それはまあ…身を以て体験するというのも…ありじゃよ…?

釣巻 和さん

87年生まれ。漫画家。代表作に『童話迷宮』『くおんの森』『水面座高校文化祭』などがある。2010年11月に坂本真綾の満月朗読館・第三夜『ベッドタイム・ストーリー』(著・乙一)にイラストを寄せ、その繊細な絵筆によって多くの視聴者を魅了した。

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