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テーマ 今したくてしょうがない「贅沢」

過去のレギュラーセレクター

西島の唯一の趣味と言えるのがREPHLEXの音源集め。REPHLEXはAphex Twinことリチャード・D・ジェームスの個人レーベルで、マニアックというよりもリチャードらしい気まぐれさや遊び心に満ちています。Squarepusherのような後にメジャーとなる才能を発掘したかと思えば、突然異国の謎の一発屋を紹介して放ったらかしたり。シーンを作ったイギリスの代表的テクノレーベルといえばWarpになると思いますが、僕はREPHLEXこそが重要だと思っています。タイトルの8〜9割を持っていますが、全タイトル大人買いしたら贅沢ですね。

Feed Me Weird ThingsSquarepusher

Squarepusherことトム・ジェンキンソンの衝撃的デビュー作。プログラムされた高速ドラムにジャズ的な生っぽいベースが絡むスタイルは本当に画期的でした。プレイヤーとしての豊かな音楽性が、テクノという暴力性と出会ってしまった瞬間。後にスターとなる彼もブレイクのきっかけはREPHLEXから出たこのアルバム。REPHLEXは常に優れたトレンドセッター、目利きなのです。

MY FAVOURITE CLINICSam & Valley

Sam & Valleyは謎の日本人アーティスト。「きょだいなつのうしかさなりあって、こうしがふまれてしんだ」というナンセンスな日本語ラップがチープなトラックに被さる脱力さ。この日本語詞を海外のテクノ・ファンはどうとらえたのか? 80年代のナゴムやata takと90年代テクノを繋ぐミッシングリンク盤です。アナログ盤はジャケがパズルになっていて面白かった。ライブで本人を見たらサラリーマン風で笑いました。

ゲームのたつじんMike & Rich

マイクとリッチはμ-ziqことマイク・パラディナスとAphex Twinことリチャード・D・ジェームスの夢のユニット。ジャケでゲームのに興じるテクノ・スター二人がカワイイです。当時流行ったモンドを感じさせ、それぞれのソロとは違うゆるさが漂います。「げーむのたつじん」は良い邦題。ソニーからリリースされていた国内盤には故ねこじるによる解説マンガがついていました。

Ffressshh!DMX Krew

クルーと言ってもメンバーは一人。郷愁漂うチープなエレクトロをクルーと称してたった一人で作り続ける男がDMX Krew。彼やCylobあたりは、Squarepusherやμ-ziqと比べるとちょっとお笑い入ってて楽しいです。震災のちょっと前に来日し、Dommuneにも出演。中年太りのトムやマイクとは違い、印象変わらずスリムでナードな印象で、鳴らすわ歌うわ楽しませてくれました。フレーーッシュ!

RUSHUP EDGEThe Tuss

AFX名義の「アナログ・バブルバス」シリーズなどリチャードは変名で自身のレーベルから名義を変えて何枚もアルバムをリリースしています。The Tussは最近のリリースですが、正体不明とされつつもリチャード説が濃厚。Aphex TwinとWarpとの確執は以前から知られるところですが、新譜聴ければもうREPHLEXがあればいいよWarpから出さなくてもと僕は思います。レーベルは約20周年。これからも応援してます。

西島大介さん

74年生まれ。漫画家。イラストレータ。映像作家。2004年に『凹村戦争』で漫画家として衝撃的なデビューを果たす。現在は月刊IKKIにて『ディエンビエンフー』を連載中。他、講談社BOXでさやわかと共に「西島大介のひらめき☆マンガ学校」を開校し、未来の漫画家を輩出している。

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