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石川 ちょっと懐かしい感じの画風といい、シュールギャグテイストといい、悪くないとは思うんですが、『ふうらい姉妹』を知っているとどうしても数段落ちるな、という印象を持ってしまいます。

太田 「道路の線の上だけを歩いて家まで帰る」みたいな強迫神経症的な感性を描いたマンガ、阿部共実さんを筆頭に僕は好きで、この投稿者さんもその系譜だと思うので、その魅力を素直に伸ばしていってほしいです。絵柄は頭と身体のバランスの悪さがチャームポイントになってはいると思うのですが、そのチャームポイントの範囲内でのみ描いているようなので、表現力という点では、ずいぶん制約のある窮屈な描き方になってしまっているのではないでしょうか。武器を増やしていくべきだと思います。

櫻井 モノローグがちぎったメモ帳の形になっていたりと、細かい部分へのこだわりをとても感じます。絵柄が特徴的なので、あえてギャップを感じさせる内容にしたり、工夫次第でもっと面白くなりそうです。

岡村 何とも言えない雰囲気を持っている個性的な作品ですね……！ それゆえに僕としては、こうしてみたらどうでしょう、と安易に言いづらいところがあります。ただ、キャラクターの表情がコロコロ変わっても、絵としてはそこまで振れ幅を持たせていないところが持ち味なので、絵に合ったうまい突破口が見つかればもっとよくなると感じました。