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テーマ My Best Soundtrack

レギュラーセレクター 曜日

サントラ。という文化にはあまり馴染みがなく、愛着もなく、買ったのはせいぜい30枚から40枚くらいです。ちなみに最近購入したのは『コクリコ坂から』のサントラ。オープニングで流れた歌に度肝を抜かれて、劇場出たその足で買いました。作詞作曲が谷山浩子さんだったので納得。そして『コクリコ坂から』を観たのがバレたので妙にくすぐったいぞ(笑)。

稲村ジェーンサザンオールスターズ

『稲村ジェーン』という、未だに正しく批評することが誰にもできない奇怪な映画がありまして、映画を10本も観ていない佐藤には、「まあ……万能の天才ってのはいないもんだね」程度のことしか云えないのでそこは省略。そう、ここで語るべきは音楽です。サザンオールスターズのド定番曲でもある『希望の轍』と『真夏の果実』は、この映画のために作られました。黒歴史となった映画に添えた音楽が、歴史に残るとは。やはり万能の天才はいない。天才はいるようだが。

ロマンシング サ・ガ オリジナル・サウンド・ヴァージョン伊藤賢治ほか

イトケンこと伊藤賢治さんの才能が迸りすぎた結果、テレビゲームのサウンドトラックという前提が崩壊し、「伊藤賢治のすばらしき世界」を奏でた奇跡の1枚に仕上がってしまった作品です。佐藤が本作をはじめてプレイした日は20年近く前ですが、作中に流れたすべての曲を、今でもすらりと思い出すことができます。『サ・ガ』という偉大な、そして奇形なシリーズが発展を遂げた最大の理由は、音楽にあるのかもしれません。

ブレードランナーヴァンゲリス

映画を観る前にサントラを買い、聴きこむだけ聴きこんで、けっきょく映画を観なかった学生時代が懐かしいよ(苦笑)。

佐藤友哉さん

1980年生まれ。作家。『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞し、「戦慄の19歳」としてデビュー。2005年、『1000の小説とバックベアード』で第20回三島由紀夫賞を受賞。本年『デンデラ』が映画化され、6月より公開される。愛称は「ユヤタン」。

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