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テーマ 「旅」のお供

レギュラーセレクター 曜日

最悪の時期は、近所の本屋へ行くのにも「旅」という言葉を使っていたほどインドアの佐藤は、旅行がとにかく苦手です。地図が読めない。宿がとれない。交通機関に乗れない。地元民と話せない。そもそも行きたいところがない。果たして今回、お題を無事に切り抜けられるのでしょうか。乞うご期待。

iPodApple

音楽。コンパス。地図。メモ。ネット。さらには電話機能を1台に詰めこんだiPhoneを挙げたかったのですが、Amazonでは販売されていないので代替案としてiPodを選びました。旅の途中、見知らぬ土地に迷いこんだとしても、iPodを使ってお気に入りの曲を聴けばあら不思議、まるで自宅にいるような安心感に包まれます。うん、つまり、自宅がいちばんというわけですよ。

たびまる昭文社

旅に不慣れな人間がまず最初にするのは、ガイドブックを買うことです。今まで食べたパンの枚数を忘れるように、今まで買ったガイドブックの数も記憶にありませんが、それでも大部分は本シリーズだったはずです。掲載された店に行くわけでも、地図を開くわけでもなく、旅によっては1度も使わなかったことさえありますが、これが鞄に入っていないと安心できません。お守りみたいなものです。

アナログトラベルクロックカシオ

あらゆる予期不安と戦う佐藤にとって、睡眠ほど厄介なものはありません。ホテルに宿泊→爆睡→寝過ごす→チェックアウトになっても起きない→超過料金を支払う→破産→自殺という悪魔のコンボが心配で心配で、ゆっくり休めないのです。というわけで買ったのが本品。Amazonで「目覚まし時計」と検索すると、いちばん上に出てきます。安く、小さく、さらには頑丈という優れもの。しかしアラーム音はまだ聴いていません。いつもアラームより早く目覚めるから。

トラベラーズノートミドリ

旅が苦手で、興味もない佐藤ですが、それでもトラベラーズノートの大ファンです。本品は名前の通り、旅をコンセプトとして作られました。しかし使用方法は無限大。市販のリフィルを取り替えれば旅はもちろん、ビジネス手帳にも、スケッチにも、日記にも、メモ帳にも、ポーチにもなります。さらにはカスタマイズにより、極限まで自分好みに仕上げられるものですから、佐藤は今日も家から出ないで、本品を延々と改造しまくっています。

水曜どうでしょう

旅が苦手で、興味もない佐藤ですが、それでも『水曜どうでしょう』の大ファンです。珍しい風景や美しい街並もなければ、うまそうな食事や楽しそうな施設もなく、あるのは公共交通機関の苦痛と、それをおみまいされた人々の悲痛のみ。旅がもたらすマイナス面を晒した結果、旅に出たくてたまらなくなるという奇妙な症状を引き起こす、日本最強のローカル番組。未見の方は今すぐポチれ。ん? 最後はDVDを紹介していますね。うん、やはり、自宅がいちばんというわけですよ。

佐藤友哉さん

1980年生まれ。作家。『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞し、「戦慄の19歳」としてデビュー。2005年、『1000の小説とバックベアード』で第20回三島由紀夫賞を受賞。本年『デンデラ』が映画化され、6月より公開される。愛称は「ユヤタン」。

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