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正直、このテーマ、危ないわ……と思います。これ、うかつにラノベ作品を出したらすっごく怒られたりしそう……。なお、「もっと評価されるべきだ」という意味で、今回は作品を選びました。「売れない」という言葉だと主観的すぎて、何と比べて売れてないのか意味が明白ではないからです。よし、保険はかけたぞ。

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基本的……念のため強調しておきましょう、「基本的」に……佐藤は売れていないものは摂取しません。というか、できません。マイナーな電化製品は買いませんし、服だって知られたブランドのものばかり。コーラもアイスもシリアルも有名品だけ。本ですら、歴史に残った名著か、誰かがすすめたものしか読まないし知らない。なぜだ。なぜそのように貧しいのだ。理由は明白で、なぜなら世界は、「メジャーなもの」だけで構成されているから。自分の周囲に転がるものを、ちょっと確認してみるといいでしょう。あなたの周りには、そこそこの人であれば普通に知っているものしかありません。あるいは、誰も知らないものしかありません。

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なんだよこの質問は! 答えづらいったらありゃしないぜ……。売れるものには往々にして理由がないことがあるけれど、売れないものには必ず理由があるからね。しかしまあ、とにかく答えてみた。

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売れて欲しいの。だけど、これが売れる世界に暮らすのは、ほんのすこし、怖いの。

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ある作品が「売れる」という商売の結果は、実に様々な要素が複雑に絡み合って出てきます。コントロールや事前の予想が不可能な要素も多いです。作品それ自体、作品の内容はその中のほんの一要素にしかすぎません。また、作品の評価は固定化されたものでなく、時と共にプラスにもマイナスにも大きく変化します。ゴッホの絵やビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』の例を持ち出すまでもなく、それを見通すことは誰にも出来ません。結局「売れる・売れない」は“わからないもの”です。人の命と同じです。その一生に価値があるかないかは、考えてみても仕方のないものです。だから、マンガ家の僕は、自らの良心にのみ従って全力で描けばそれでいい。そう考えることにしています。


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