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テーマ 人生を変えた「教科書」

レギュラーセレクター 曜日

む、むずかしいテーマですね。そもそも「教科書」ってなんだろう。ふと、そんなことを考えてしまうぜー。だいたい教科書って、好きか嫌いかで言えばもちろん嫌いだったし、僕は決して優等生ではなかったので、教科書で人生を変えられた覚えもない。いったい何だったんだろう、僕の学生時代は。

デビルマン永井豪

僕の魂の漫画。善と悪、神と悪魔という一神教的な対立軸のテーマを、これ以上ないまでに真正面、大上段から叩き割った作品。「性と暴力」こそが日本漫画の根源であるのならば、その意味では、日本漫画のアダムは手塚治虫ではなく、この『デビルマン』の永井豪なのだ。小学生の頃、初めてこの漫画を読み終えたとき、僕は世界がぐるりと裏返って見えた。

人間における勝負の研究―さわやかに勝ちたい人へ米長邦雄

不世出の名棋士、米長邦雄の人生指南本。中学生の頃、父親か祖父が読んでいたこの本がなぜか気になって、ふと読んでみたのがきっかけで、以来、数年に一度は読み返している。「運」には法則がある。幸運の女神に好かれるには理由がある。米長さんが提唱するそんな「勝負」の大原則を、僕もまた一人の勝負師として信じている。

真説 謎解き日本史明石散人

京極夏彦さんの妖怪シリーズに登場する「築地の師匠」のモデルこと明石散人さん。僕は明石さんが過去に発表なさった全作品の全バージョンをすべて読んでいる。僕は(歪んだファン心理で)明石さんには絶対にこれ以上売れてほしくないと思っているけれど、でも、やっぱりもっと多くの人に明石さんの本を読んでもらいたいとも思っている。明石さんの本を楽しむことができる人が増えれば、きっとこの日本でだってあらゆる分野で革命が起きると確信しているからだ。僕はその革命を為す人たちの尖端の一人でありたい。

銀と金福本伸行

福本伸行漫画でいちばん好きな作品は? と問われれば、迷わずこの作品を推す。それくらい好き。「銀さん」がとにかくカッコ良すぎて……。彼はある種の男の生き方の理想だと思う。教科書を必要としない生き方をする男は、いつも決まって抜群にカッコいいのだ。

太田克史さん

72年生まれ。編集者。95年講談社入社。03年に闘うイラストーリー・ノベルスマガジン『ファウスト』を創刊。舞城王太郎、佐藤友哉、西尾維新らをデビュー当時から担当する。10年、未来の出版社を目指し星海社を設立。代表取締役副社長に就任する。

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