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テーマ この作品の「テクニック」に惚れた

レギュラーセレクター 曜日

「テクニック」とは「甘え」や「狎れ」の対極です。だからカッコいい。だから惚れる。

漫画・アニメ・ライトノベルのデザインアイデア編集部

デザイナーはハンディを背負っています。作家や編集者は既にその作品に何年も心血を注いで来ました。その作品がいよいよ本となる最高に白熱緊張している時に、ひとり後から参加して、殺気立っている彼らを納得、感動させなければならないのですから。この本にも収録されている名和田耕平氏による『愛人 [AI-REN]特別愛蔵版』のデザイン。あのデザインが披露された刹那、緊迫の限界の会議室に風が吹きました。忘れがたい瞬間です。

ロマンスの王様 ハーレクインの世界洋泉社編集部編

あんなふうに読者を、うっとりとしあわせな表情にさせてみたい。ハーレクイン・ロマンスや韓流ドラマ、あるいは少女漫画やBLコミック&小説。ロマンス物語に、本当に幸福そうに頬を輝かせる読者たちに、物描きの端くれの僕は、嫉妬に近い想いを覚えます。

タイタニックジェームズ・キャメロン

甘えたところがない。読者にしなだれかかるようなところが少しもない。キャメロン監督にしてみれば全人生が懸かっているわけです。ぬかりも妥協もない。非常に口当たりのいい通俗的な映画として観ることも出来るし、意外なほど厳しい重たい映画として観ることも出来ます。なぜ、わざわざ実際に起こった海難事故を舞台にして、無声映画時代からありそうな古典的なアクションラブロマンスを描いたのかを想うとき、作者の企みに唸ります。映画とはそもそも何かという問いまで行き着きます。

田中ユタカさん

66年生まれ。マンガ家。主な作品に『愛人[AI-REN]』、『ミミア姫』、『愛しのかな』、『もと子先生の恋人』。『初夜』などの純愛系作品、多数。“恋愛漫画の哲人”、“永遠の初体験作家”、“愛の作家”と呼ばれる。携帯コミックでも新作を意欲的に発表。

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