好きな本を問われたとき必ず挙げているのがこの本。ことばの持っている色、匂い、肌触り、重量、ちから加減、音の丸さ、硬さ。ひらがなと漢字の質感や、リズム、余韻、余白。一倉さんの紡ぐ作品の中にはいつも、にほんご、という言語の美しさを見る。学生時代、英語のテストで出た問題『人生を３つの単語で表すとしたら』。あなたなら、なんて書きますか？

レコーディングスタジオの新入社員の子が、カセットテープを触ったことがないと言っていて衝撃を受けた。カセットテープ、ダット、CD、MD…いろいろなメディアを通過してきたけれど、現在ではデータそのものをメールでやり取りしたり、USBメモリで持ち歩くというスタイルが主流になっている。しかし何か味気ない。便利だけど手に取れないし、クリックひとつで消せてしまう寂しさ。古い人間ですいません。で、LaCie。すぐに物を紛失してしまう私も家の鍵などと一緒にキーホルダーに付けておけば安心。見た目も可愛いし、これならば、と気に入ってます。

ポップな色彩、ファンタジックな物語、ベリーショートにしたナタリー・ポートマンの妖精みたいな愛らしさと、まず目に飛び込んで来る魅力は色々あるのだけれど。この作品の特別なところは、とにかく、マゴリアムおじさんの台詞と、そしてそれを発するダスティン・ホフマンの素晴らしさ。いつかくる人生の幕引きのために、何をするのか。人間は年齢を重ねることでもっともっとステキになれるんだよ、と言われている気がする。ちなみにナタリーの吹替は私が担当しています。

ミア・ファローが好きな私の母が、ある日レンタルビデオ屋さんでこの映画を借りてきた。当時まだ小学生だった私に、あのラストを受け入れるのは難しかった。楽しいファンタジーのラブストーリーだと思って観ていたのに、こんな寂しい終わり方をするなんて…。数年後、もう一度観たとき、この作品が大好きになった。映画、音楽、文学、演劇、アート…すべての芸術をお仕事にする人なら、いろいろ思うところがあると思います。

普段ゲームはまったくやらない私ですが、シムシティだけは別。昔、スーパーファミコンでこのゲームをやっていて、寝る間も惜しんでわが街の市長として仕事に没頭していたわけだけど、その後発売されるこのシリーズの新作はどんどん難しくなってしまって、私には手に余り、やむなく辞職。ところがこのDS版は昔のスーパーファミコン時代に操作が似ていて私のような古い人間にもやさしい！　また嬉々として、交通の整備や教育の問題、治安、災害からの復興など、身を削る思いで市長の職務に夢中になりました。おかげさまで支持率は良いです。