嫉妬せざるを得ないといえばこの男。高校生の分際でガールフレンドと本妻と稚児と愛人と妾を連続ゲット。おまけに妹は選べる２タイプをご用意。しかも影の中には頼れるロリババァを使い魔として秘匿し、本人もまた吸血鬼パワーの持ち主とか何それ羨ましいったらありゃしない！　──だが仮に私が同じ立場に肖れたとしても、このパラダイスを維持することは叶うまい。たぶんその日のうちに撫子を押し倒して駿河に犯されて翼を孕ませた挙げ句ガハラさんに刺されて死ぬ。げに驚くべきは暦くんの人間力。あー妬ましい。

グフといえば格闘戦しか取り柄のないイメージがいかにも渋カッコ良い漢のロマンであったというのに、盾にばかでっかいガトリング砲とかついちゃってもう卑怯極まりない。そのくせクールなカトキデザインで容赦なく私を魅了してくるんだからもう、ずるいだろー。そもそもグフといえば鞭っすよ。必殺仕事人みたいなワイヤーじゃなくて、ぶっとく怒張してウネウネしたアレっすよ！　それと左手の変な指！　ザクとは違うのだよザクとは！　とランバ・ラル大好きッ子としてＢ３型には嫉妬の念を禁じ得ない。

視線を現実世界に向けてみよう。この地球上において最も嫉妬したくなる羨ましい生物といえばコアラである。高いところに居座って毎日20時間寝て過ごすとか、どんだけ優雅な生活してやがんだコイツは。しかも主食であるユーカリの鎮痛・鎮静作用によって終始酩酊してるときたもんだ。ひねもすラリって居眠りするばかりの生涯ですよ。巣作りさえしないのよ。夢のマイホームのローン返済に日々忙殺されるエコノミックアニマルから見たら、もぉ何様だコイツ、ってな生き物ですよ。そのくせ愛らしい珍獣として大人気。悔しい。許せん。

黄色いバラの花言葉は「嫉妬」──そして「黄薔薇」といえばロサ・フェティダ支倉令さまなのだが、やはり令さまも清々しい外見のイメージとは裏腹に、由乃の気持ちが余所に向いたりしたら激しい嫉妬の炎を燃やしたりするのだろうか？　秘めたる乙女回路を搭載した令さまなら充分にあり得る話よね。ちなみにシクラメンと唐辛子の花言葉も「嫉妬」なんだとか。それにしても花言葉っていったい誰が考案して制定してるんだろう？　世界花言葉機構とかあったりするんだろうか？

景気の低迷する現代日本において、責任ある社会人でありながら、これほど好き勝手に面白可笑しく暮らしてる男がいるとあっては妬まずにいられない。大体コイツ何か苦労らしい苦労をしてるわけ？　まともに新人賞の選考を突破してデビューしたわけでもなく、好きな仕事ばかり引き受けて売り上げとか気にしてる節が全然ない。最近でも「最前線セレクションズ」で、およそ真面目に書いているとは思えないグダグダなコラムを寄稿しては原稿料をせしめているそうな。有名作品のノベライズが当たったからって結構なご身分ですな！　あぁ羨ましい！