取り敢えず耳元でサイバーパンクと囁かれるだけで脳味噌がキャッキャウフフのお花畑になってしまう私だけれども、それでも「ニューロマンサー」を面白いと思えるようになるまでは間を置いて三回ばかり読み直す必要があった。SF作品としての文学的価値なんていうものは私個人にとってどうでもいい話であって、やっぱウォルター・ジョン・ウィリアムズ程度のヌルさが丁度いい湯加減なんだけれども、今となっては古本でしか手に入らないってのが悲しい限り。

ジャパニメーションの最高傑作のひとつとして人々の記憶に焼き付いてしかるべき作品だと思うのだが、本邦における認知度があまりに低すぎるってのが納得いかぬ。もうちょっと広報や営業に力入れてくれても良かったんじゃぁ……と悔やまれてならない。公式サイトも未だに作りかけで放置って、どういうことさ1?　でもブルーレイ版がけっこうリーズナブルな価格帯で出回っていることもあり、今後の再評価と巻き返しには期待が託せるんじゃなかろうか。

まず肝心なのはDVD版でなくVHS版を購入すること。何故ならDVD版では本作の魂であり一番の泣かせ所であるエピローグのエピソードがカットされている。私の生涯において五本の指に入る逆鱗エピソードですよこのDVD版のクソ編集は。これは貴重なる文化の蹂躙であり、人類に対する重大な背信行為であるため、DVD版の販売元に対しては死んで償えとまでは言わないものの猛省を促した上でオリジナル尺＆豪華映像特典満載の完全版ブルーレイディスクを一刻も早くリリースすることを要求する。

「ジェヴォーダンの獣」「サイレントヒル」で近頃はちょっぴり知名度の出てきたクリストフ・ガンズ監督作品。マーク・ダカスコス主演作品の中で最も完成度が高い、というだけでアカデミー賞総ナメ間違いなしだと主張したいところなのだが、そんな理想と現実の食い違いが、いかにこの世界に私の友人たり得る人物が少ないかを物語っている。不条理系スタイリッシュアクション映画としては「リベリオン」に比肩する傑作だと思うのだが、世間の認知度があまりにも低いのは大変遺憾。

個人的にガンプラが一番熱かったのってZ〜逆襲のシャア辺りの、ガンプラ素材にしてどんな世界観を好き勝手にでっち上げてもアリだったバーリトゥードな時代なのである。「シャア専用ジ・Oがスレッガー搭乗のゼータプラスを撃墜する漫画とか大好き！」と熱弁を揮う私に対し、頭の可哀想な人を眺める眼差しでなく、理解を示してくれる方ならば、きっと今でも仲良くできることだろう。そんな当時の残り香を今に伝えるこの漫画は、時々本棚の奥から引っ張り出して読み返したくなる。