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テーマ 「旅」のお供

レギュラーセレクター 曜日

正直に告白しましょう。わたしは、学校の行事以外で旅行をしたことが、ほぼありません。家族旅行は何度か行った事がありますが、それも小中学生の頃…。大人になって、旅行をした思い出というのは一度だけ。四年前に直島へ行ったきりです。それも、父の会社の社員旅行に交ざって…なんかね、なんかねえ。高校を卒業してそのあとすぐに漫画を描く生活になってしまったので、要領の悪いわたしには旅行へ行くという時間の使い方がずっと出来ませんでした。だから、この五年ほどの間は、心の旅をたくさんしました。

散歩手帖森 雅之

森雅之さんの本を読むと、いつも心が宇宙へ飛ぶような、そんな気持ちになります。あるいは、心の中に宇宙が一つ生まれるような。それは心の散歩なんです。心の散歩は本当に、どんなに遠くでも行く事が出来るところが特徴です。(あとタダです)わたしは散歩というものは、一番小さな旅だと思っています。旅をするとき、ちょっとの散歩から帰って来たときのように、その先にただいまを言う場所があると良いなって、思ってるんです。

タネ取っちゃいました ほし梅 村岡食品

高校時代、語学研修ツアーという名目で、うっかりカナダに行きました。うっかり…だってわたし英語なんて本当に不得手だったんですからね…。そんなわたしをホームステイさせてくださったお家には感謝しかありません。が、問題は食事でしたのです。朝ご飯が甘いパンで、お昼ご飯が甘いパンで夕ご飯が…と続くとわたしは納豆と梅干しが食べたくなる日本人です。そんなとき!中学時代にもホームステイを経験していた友人が、おやつに梅干しを潜ませていましたよ!これを食べたとき、「うん。次海外に行くとき、これ必須。」と心に誓いました。

海外(外国)使用済み切手 ノーブランド

この世の中で、一番旅をしているのって…なにかな?と思ったら、それって手紙ではないでしょうか。そしてそのお供には、切手さんがいるのですよね。使用済みの切手達は、任務を終えて、旅から無事に帰還した猛者達です。こいつらが好きです。そしてわたしの住んでいるところには、切手博物館!があり、先日そこでたくさんの切手を見てきました。切手は、小さな窓みたいだなあと思うのです。その窓は、たくさんの時代や送り主の気持ちさえ覗かせてくれます。

すぐそこの遠い場所クラフト・エヴィング商會

さて、はじめに言った通り、わたしの旅は六畳一間の心の旅です。ですから本棚だって、立派な旅路への入口な訳でして…。この本は、そんなテーマにぴったりです。すぐそこの遠い場所、「アゾット」。これは、その場所について書かれたとあるひとつの事典なのです。そして、「この事典はね。見るたびに中身が変わってゆくのだよ」そう記された、この書物こそがアゾットです。読み終えた頃に、きっとわかると思います。この本は、どこか、旅をする事に似ています。

パイロット ハイテクC・0.3・クロ P-LH-20C3-BPILOT

旅をするなら日記をつけたくなっちゃうと思う!絵日記なのです。出会ったひとやものを書き留めてたくさんの切符やチケットや包装紙とかみかけたものをスクラップしていきます。だから、普段から使い慣れたハイテックのボールペンをお供にします。わたしは漫画の原稿もこのハイテックのお世話になっている程のハイテックヘビーユーザーであり彼(?)は戦友です。むしろ、ハイテックが本体で、それにわたしが使われてお供をしてると言っても過言ではないがね。

釣巻 和さん

87年生まれ。漫画家。代表作に『童話迷宮』『くおんの森』『水面座高校文化祭』などがある。2010年11月に坂本真綾の満月朗読館・第三夜『ベッドタイム・ストーリー』(著・乙一)にイラストを寄せ、その繊細な絵筆によって多くの視聴者を魅了した。

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