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本棚を調べてみたら、岩波書店の本がほとんどなくて、焦りました。私にとって岩波の本は人から借りて読むものというイメージで自分では全然買ってなかったのです。なので、そんな私の本棚にも入っている本を紹介します。

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どういうわけか出版社には美しい社名が多いのですが、岩波書店は別格の部類に入るのではないでしょうか。「いわなみ」と口にするだけで、涼やかな心地にさえなります。そんな岩波書店に「ザ」をつけて、急激に俗っぽくなった今回のお題ですが(笑)、思いのほか、すんなりセレクトできました。文庫から児童書に至るまで無数の本を発行する岩波書店。その澄んだ社名に誘われるようにやってきた3冊もまた濁りがなく……いや、濁りまでも甘露とさせ、読者たる我々は、たちまち飲み干してしまうのです。

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日本「最高」の出版社って、やっぱり岩波書店だと思う。この意見に異論がある人は……あまりいないのではないだろうか。滲み出る風格と孤高が他の出版社をよせつけないからだ。ベクトルは全然違うけれど、星海社も、いつか、かくありたいものだ。今回のセレクションは、あえて「岩波文庫」のみで選んでみた。

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こんな選出ができるほど、わたし本を読んでないのです。…うーーーん、難しい。背伸びをしても、しょうがないから、わたしらしく選びます。心をえぐるような感動とは違う、でも、はるか昔から、みんながずっと守りつづけた明かりのようなナニカが、今わたしの手の中で灯る。少年少女の手で灯る。その明かりがわたしにとって、ザ・岩波書店。かな?

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人には人の言葉が必要です。誰かの魂から出た言葉が必要です。この不条理で苦しいこの娑婆で人を生きさせているのは、人の言葉だと、そんな風に想うことがあります。


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