編集部ブログ夜の最前線

2017年4月10日 22:38

サークル選びの季節

本日読んでいるのは『世界でいっしょにゴハン食べたいッ ベルギー・オランダ編(甘口)』です。

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もみじ真魚さんによるグルメ系同人誌。
各国のグルメや風景を、イラスト&写真で楽しめる有名なシリーズです。

当然ながら紙面は飯テロに満ちておりまして、おいしそうなベルギーチョコのイラストを眺めつつ、庶務のKさんが用意してくださったマーブルチョコレートを齧って自分を慰めるのでした。


さて、この週末はお花見に行かれたかた、多いのではないでしょうか。
残念なことに東京は曇天&雨天な土日でしたが、京都は花見日和だったようで、京都在住の弟から写真をもらいました。

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嵐電の桜のライトアップとのことですが......近すぎてわからないよ。
映画『夜は短し歩けよ乙女』もまだ観に行けてないのですが、先日のブログの続きということで、星海社の"京都作品"をご紹介しようと思います。


まず、庭さんの桜舞い散るすてきなカバーイラストに彩られた、森田季節さん『エトランゼのすべて』。

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充実した大学生活に憧れ、京都大学に入学した針塚圭介は、「京都観察会」なる怪しげなサークルでミステリアスな美女"会長"と出会う。
「ちょっとした魔法ですよ」──そう言いながら淡々と圭介の個人情報を言い当てていく"会長"。彼女は一体何者なのか。その美貌と微笑みの裏には、思いもかけない秘密があった......。


入学してからの大学一年間が、すさまじく甘美に描かれた青春小説です!

主人公は大学デビューにはりきっている針塚くん。
彼曰く「やはり大学生といえばサークルだ。サークル無所属で大学生活を満喫とか、そんなのはありえない。無所属の議員が総理大臣になれるわけがないのと同じだ」。
大学生活を終えてみると、「そんなこともないよ」と手合いを入れたくもなるのですが、その気合いの入りかたには共感できます。
ぼくもサークル・科目・ゼミ情報が乗った「マイルストーン」という早稲田の情報誌を丹念に読みこんだものでした。

しかし、実際にサークルの新歓を目の当たりにすると、尻込みするわけです。
1枚勧誘のチラシを受け取ったら最後、次々とチラシがその手に乗せられていく!
「帰宅後、チラシを体重計に載せてみたところ、三キロ弱を記録した。エコとは何か、エゴとは何か。今度帰郷した際には親と話し合ってみようと思う」と針塚くんもぼやきます。

結局針塚くんは、サークル選びに悩み悩んだあげく、ミステリアスな"会長"のいる実態のよくわからない「京都観察会」に入会してしまいます。
理想通りにはならない大学生活に、針塚くんは若干不満げな様子ですが、"会長"にときめきをおぼえながらもサークル同期の女子とフラグを立てたりと、彼は絶妙にしょっぱい経験をしつつ、ちゃんと楽しい大学生活を送るなかで成長していくのです......ぼくの大学生活はもっとしょっぱかったぞ!


"会長"の秘密が明かされる終盤、タイトルにある「エトランゼ」=異邦人の意がわかります。
そのシーンでの針塚くんのセリフがめちゃくちゃ感動的で、励まされるのですが......これを引用してしまったら物語の楽しみも半減なので自粛。
いままさに、サークル選びに迷ってる大学1年生!
オススメです、読め読め!


......と、1冊の紹介に気合いを入れすぎてしまったので、続きはまた後日。